雲海がよく発生する季節は、一般的に10月頃から晩秋にかけて。もちろん富士山頂など標高が高い地域だと頻繁に見られますが、今回は気軽にアクセスしやすいスポットを厳選してみました。
まずは岐阜県と長野県の県境に位置する富士見台高原です。中央アルプスの南端、恵那山系の標高1739mの地に広がっています。
標高が高いにも関わらずアクセスしやすいのは、標高800mの山麓駅から1400mの山頂駅をロープウェイが運行しているから。約15分の空中散歩を楽しんだ後も、リフトに乗り継いで標高1600mの展望台まで気軽に移動できます。
秋の見どころは、なんといっても紅葉。ロープウェイ上部は10月中旬から色づき始め、11月中旬頃まで錦秋の世界に包まれます。また、「いわなの森」には1周2.3kmの遊歩道が整備されており、色づく原生林の中でゆっくりと自然を満喫することが可能。こちらも10月中旬から広葉樹の紅葉が始まり、次にカラマツなどの針葉樹が黄金色に染まります。
展望台でのもうひとつのお楽しみが雲海。2023年10月7日(土)から11月5日(日)にかけては「雲海ハーバー」期間として、早朝5時台からロープウェイと展望台リフトが運行しています。
遠く南アルプスまで広がる雲海は、なんとも壮大。夜中に山間部を低気圧が通過し、湿度が高まった際に霧が発生します。
その霧が盆地状の地形や谷あいに溜まることで雲海が発生。典型的な盆地である伊那谷は、格好の雲海ポイントとして知られています。朝日を浴びた雲海の美しさは、思わず息を呑むほどです。
続いてご紹介するのは、滋賀県と福井県の県境に位置する「小入谷(おにゅうだに)」。こちらも気象条件が整うことで雲海が発生し、色づく山々が海に浮かぶ島のように見えます。
ビューポイントは標高820mの「おにゅう峠」。その周辺はかつて、福井県の若狭から京都へ海産物を運ぶために活用された「鯖街道(さばかいどう)」の最短ルートとなっていました。
現在は林道として整備されていて、秋のシーズンには絶景スポットをひと目見ようと多くの観光客が早朝に足を運んでいます。紅葉が見頃は、例年10月下旬から始まります。「一度は見てみたい!」と思える絶景といえるでしょう。