1965年、鹿島参宮鉄道と常総筑波鉄道が合併して誕生した関東鉄道。茨城県取手駅と下館駅間を結ぶ常総線と、佐貫駅と竜ヶ崎駅を結ぶ竜ヶ崎線の鉄道2路線に加えてバス路線も有し、地域の方々や観光客の足として機能しています。さっそくですが、沿線のおすすめ観光スポットを教えてください。

『まずは、常総線の大宝駅から程近い距離にある大宝八幡宮です。"関東最古の八幡神社"と言われていて、一年を通じて多くの方々がお参りに訪れています。特にこれからの季節がおすすめでして、同八幡宮のあじさい神苑では6月下旬から7月上旬にかけて「あじさい祭り」が催されます。約300種、約4,000株を超えるあじさいが色鮮やかに咲いて、梅雨の時期に彩りを添えてくれます。もうひとつのおすすめスポットは、常総線下妻駅から下妻市コミュニティバスでアクセスできる砂沼広域公園です。砂沼には約6kmの遊歩道が整備されていて、景色を楽しみながら散策したり、サイクリングやジョギングを楽しむこともできます。5月下旬から6月中旬にかけては、同公園の広大な菖蒲園でハナショウブが見頃を迎えますよ』(高橋さん)
これからの時期にピッタリですね。一方で、鉄道ファンにとって関東鉄道さんは気動車が活躍している路線として知られています。どんな車両が人気ですか?

『古い車両が人気で竜ヶ崎線ですとキハ532形気動車ですね。旅客列車としては日本で初めてワンマン運転を行った竜ヶ崎線用の車両で、1981年に製造されました。現在は毎週土曜日に竜ヶ崎線で運行しています。一方、常総線では平日の通勤・通学のみの運行となっているキハ0形気動車が人気の車両で、1982年~1983年に製造されました。最近の車両ですと復刻塗装としてクリーム色と朱色のツートンカラーで運行しているキハ2400形の2両が人気で、昭和時代のノスタルジックな雰囲気を感じ取る方も多いようです。また、毎月第二日曜日には気動車の体験運転会も実施しています。初級、中級と2バージョンあり、キハ0形もしくはキハ2300形を運転できるとあって好評いただいていますね』(高橋さん)
気動車の体験運転会は貴重ですね!他にはどのようなイベントを催していますか?

『特徴のあるイベントでは「夜行列車」も好評でした。素朴なロングシートで寝るだけですが、昭和の寝台列車を思い出し、「懐かしい!」というお声もたくさんいただきましたね。 また、今年は関東鉄道発足60周年ということで、様々なイベントを企画しています。直近では好評の「ビール列車」を運行します。沿線には数社のビール工場があり、美味しい注ぎ方の講習をいただいたりと協力してもらっています。私たちはお客様に喜んでいただける"新企画"が好きでして、他社さんのイベントに参加して参考にしつつも、他ではやっていないことをやり、面白い関鉄にまた来てもらいたいという姿勢です。他にもまだまだ60周年のイベントを考えていますので、ご期待ください』(高橋さん)
楽しみです!最後に、関鉄の旅の醍醐味を教えてもらえますか?
『常総線は複線区間と単線区間でかなり景色が変わります。途中から筑波山が見え始め、広大な田んぼの中を気動車がのんびりと走ります。秋葉原駅から常総線守谷駅まで、つくばエクスプレス快速で約30分。気軽に田舎の雰囲気を味わいに来てほしいですね。街歩きを楽しみたい方は「常総線1日フリーきっぷ」や、ご当地グルメ「龍ヶ崎コロッケ」のお店の割引券が付いた竜ヶ崎線1日フリーきっぷ「竜鉄コロッケ☆フリーきっぷ」などをぜひご利用ください」(高橋さん)
お話、ありがとうございました!秋葉原駅から約30分で"非日常"の日帰りトリップが楽しめる関鉄の旅、ぜひ皆さんもお出かけください。