「駅すぱあとアンテナ」2022年12月号 「澄んだ冬空に花火」

 
   
大気が澄み渡る冬空に打ちあがる花火には、夏とはひと味違う風情があります。伝統行事や冬景色と花火のコラボを楽しんでみてはいかがですか。

古都・奈良の早春を告げる行事といえば、若草山焼き。芝生で覆われ、なだらかな3つの丘が連なる若草山が火で包まれ、夜空を焦がします。開催日は毎年1月第4土曜日で、2023年は1月28日(土)に開催される予定です。

若草山の頂上には鶯塚古墳が鎮座しています。その昔、「この墓から幽霊が出る。山を焼けば出なくなる」「1月末までに燃やさないと不吉なことが起こる」という言い伝えが広まり、誰彼かまわず火をつけていたのだとか。しかし、燃え広がった火が東大寺境内にまで迫ってしまう事態が度重なったことで、一度は禁止令を出したものの火付けは止まず、若草山に近い東大寺と興福寺、奈良奉行所の立ち合いのもとで行われるようになりました。元々は古墳に眠る霊を鎮めるところから始まり、やがて寺社が管理して行事となったわけです。

山焼きの当日は、夕刻から祭礼と聖火行列が行われます。法螺貝を吹く山伏が先導し、時代装束に身をまとった行列が火を運び、最後は山麓中央に設けた巨大なかがり火に点火。山焼きの始まりを告げる号砲として花火が打ち上げられます。県内では珍しい尺玉が打ちあがるなど、そのスケールは奈良県最大級。その後、かがり火から松明に火が移されて一斉点火。約33ヘクタール、周囲3800メートルの草地に火が放たれます。スケールが大きいため、奈良公園の浮雲園地、平城宮跡、商業施設「ならファミリー(近鉄百貨店奈良店)」屋上などビュースポットがいくつもあるところも魅力のひとつです。

さらにもうひとつ、伝統行事と絡んだ冬花火をご紹介。2022年12月2日(金)、3日(土)に埼玉県秩父市で開催される秩父夜祭です。

秩父夜祭は、京都祇園祭、飛騨高山祭と共に日本三大曳山祭に数えられています。勇壮な屋台囃子の打ち鳴らしが響く中、きらびやかな山車が街中を練り歩き、そこに彩りを添えるのが冬花火。闇に浮かび上がる山車の装飾や提灯のあかりと、澄んだ空に打ちあがる花火とのコントラストを堪能することができます。
若草山焼き(若草山焼き行事実行委員会事務局)
秩父夜祭(ぶらっとちちぶ 秩父観光協会)

次は、冬の自然と花火の競演が楽しめるスポットをご紹介しましょう。まずは、雪をすっぽりと被った富士山を背景に打ちあがる「河口湖冬花火」です。

開催期間は、2023年1月21日(土)から2月19日(日)までの土・日曜日。プラス、天皇誕生日の変更によって「富士山の日」となった祝日の2月23日(木)です。打ち上げ時間は20時から20時20分まで。例年行われている「河口湖冬花火」は、夏よりも大気が澄んでいるのと、天候も晴れの日が多いこともあり、花火が美しくみえると好評です。

打ち上げ会場は、メイン会場となる大池公園に加え、畳岩と八木崎公園。3カ所あるため、基本的に河口湖周辺のどこにいたとしても花火を眺められるようになっています。

その中でも特に人気なのが、大池公園の対岸に位置する産屋ヶ崎エリア。河口湖の北岸は、富士山のシルエットを背景に花火が打ちあがるとあって、多くの観光客がカメラを構えています。風が強くなければ湖面に写り込む「逆さ花火」も必見です。

また、少し高い位置から3カ所の花火をじっくり眺めたい方は「富士山パノラマロープウェイ」を利用して天上山、通称「カチカチ山」の山頂へ向かうのもおすすめ。360度のパノラマで河口湖の全景と富士山を眺めることができます。今年3月に行われた「河口湖冬花火」では夜間特別営業が行われました。

最後にご紹介するのは、雪景色の中で花火が打ちあがる「湯沢冬花火2023」です。この花火の特徴は、湯沢町のスキー場が舞台であることと、日によって打ち上げ場所となるスキー場が変わるところです。

12月24日(土)の「GALA湯沢スキー場」から始まり、5月3日(水)の「かぐらスキー場」まで、土曜日を中心に計24回開催されます。各スキー場によって、それぞれテーマを設けた演出による創作花火が打ちあがるところも魅力のひとつです。お出かけの際は、どのスキー場で何時から打ちあがるのか確認のうえ、お出かけください。
河口湖冬花火
湯沢冬花火2023
 
 
     
 
島根県松江市と出雲市を結ぶ"ばたでん"こと一畑電車は平成18年、一畑電気鉄道(株)から分社化。地元の生活路線でありつつ、観光や参詣向けの鉄道としての役割も担っています。

『沿線ですと出雲大社が有名ですが、元々は一畑薬師への参拝と、現在本社のある出雲市平田地区への鉄道の敷設を目的に大正時代に一畑軽便鉄道としてスタートしました。一畑薬師は"目のお薬師さま"として人気があり、現在も多くの方々が参拝に訪れています。また、鉄道ファンの方の中には粟津稲荷神社をご存じの方もいらっしゃると思います。鳥居が連なる参道を一畑電車の線路が横切っていて、電車が通る瞬間を写真に収める方も多いですね。国の登録文化財に指定されている出雲大社前駅の西洋風駅舎にも、ぜひご注目ください』(野津さん)

出雲大社も含め、他の寺社仏閣も巡ってみたいです。お参り以外の観光名所だと、どこがおすすめですか?

『まずは国宝の松江城と宍道湖ですね。宍道湖の北岸を沿って一畑電車が走っていますので、車窓からの眺めは抜群です。またサイクリングロードもあり、出雲大社前駅と雲州平田駅ではレンタサイクルのご利用が可能です。本格的なサイクリストはもとより、起伏が少ないのでツーリスト向けでもあります。一畑電車は終日全区間で車両内に自転車を持ち込むことができるため、急に雨が降ってきたり、パンク等の対処に困り、ちょっと疲れたなと感じた時にはそのまま自転車と共に乗車できて便利ですよ』(野津さん)

サイクルトレインは増えつつありますが「終日全区間」なのは珍しいかもしれませんね。もうひとつ、一畑電車の大きな魅力を挙げるとしたら「体験運転」でしょうか。

『そうですね。2011年から始まって、おかげさまで全国各地からお客様が訪れています。ご家族連れで旅行中の方もいる一方、リピーターの方が多いのも特徴的ですね。コロナの感染拡大時期は休止していましたが、現在は毎週末の土曜と日曜に定期開催しているので計画が立てやすいのかもしれません。また、使用している「デハニ50形」という車両はとても古く、近年の車両にはないリアルなブレーキ感覚を味わえるところも魅力です。一番多い方だと、これまで1,500回以上、体験されていますね』(野津さん)

それはすごいですね!最後にお伺いしたいのは、旅行で訪れる際におすすめのきっぷです。どんなものがありますか?

『一畑電車全区間が1日乗り降り自由の「1日フリー乗車券」と、当社区間をはじめ一畑バス、松江市営バス、出雲空港連絡バス、米子空港連絡バスを3日間利用できる「縁結びパーフェクトチケット」がおすすめです。「縁結び~」は30以上もの施設で割引や特典が受けられますので、ぜひご利用いただいて出雲路の旅を楽しんでもらいたいです』(野津さん)

お話ありがとうございました。新春の参拝や、サイクリングに適した春や秋、宍道湖が美しく映える夏と、皆様お好みの時期をイメージして旅行計画を立ててみてください。
 
ホームページ:https://www.ichibata.co.jp/railway/
11月4日(金)、「駅すぱあと乗りものフォトコンテスト」の受賞作品を公式ホームページ上で公開しました! フォトコン公式ホームページはこちら

応募総数は前回を上回る全1,956作品。その中から選ばれた最優秀賞・審査員特別賞・乗りものカレンダー賞の12作品を採用したA2サイズの壁掛けカレンダー「駅すぱあと乗りものカレンダー2023」の予約受付が始まりました!

鉄道・飛行機・バスなど、人々の生活に寄り添う様々な公共交通機関を写し「みんなに教えたくなる、乗りものと風景の一瞬」を切り取った美しい作品を、ぜひ1年を通じてお楽しみください。
 
 
 
2022年12月17日(土)、航空写真家のルーク・オザワ氏と鉄道写真家の山崎友也氏(※「崎」は正式には「たつさき」)によるスペシャルトークイベントを開催します。

選出作品の評価や、ご自身の作品に関するエピソード等のトークを実施。2人の掛け合いは毎回爆笑の渦に包まれ、多くの参加者の方々に好評いただいています。
今回はカレンダー購入特典としてトークイベントの一部をオンライン配信します。
写真が趣味の方や、乗り物がお好きな方は奮ってご参加ください!
 
 
■ゲスト
ルーク・オザワ氏(航空写真家)、山崎友也氏(鉄道写真家)
■日 時
2022年12月17日(土)
■時 間
開場14:30、開演15:00、終演18:00
オンライン視聴⇒開始16:00、終了17:00
■会 場
株式会社ヴァル研究所本社 1Fイベントスペース
(東京都杉並区高円寺北2-3-17)
JR「高円寺駅」北口より徒歩約3分
■参加料
2,750円(税込)
※会場参加チケットは定員になり次第終了となります。
■【カレンダー購入特典(オンライン視聴)について】
・カレンダー購入特典は、2022年12月15日(木)18:00 までの購入分が対象となります。
・オンライン視聴のURLは、2022年12月16日(金)中にメールにてご連絡いたします。
・ご視聴の通信環境の悪化などにより、配信が途切れた場合の返金はいたしかねます。
・オンライン視聴はyoutubeによるライブ配信のみとなり、アーカイブはございません。
・URLの共有、第三者への譲渡は禁止いたします。録音録画もご遠慮ください。
 
【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2022年12月号の内容に対応
私鉄および公営は、2022年11月22日現在の時刻表に対応
【臨時ダイヤ】
 
●アルピコ交通
2022/11/16~12/15 バスによる増便運行
●大阪モノレール
2022/11/26 臨時列車運転
●御岳登山鉄道
2022/11/27 臨時便運転
●蔵王ロープウェイ
2022/11/30 半日運休
●東武東上線
2022/12/7 一部列車時刻変更
●高尾登山電鉄
2022/12/8・12~16 点検に伴う一部便運休
●東武スカイツリーライン、日光線
2022/12/10~11・18~31・2023/1/2~22の土休日
臨時特急「けごん」運転
●下田ロープウェイ
2022/12/14 点検に伴う運休
●三岐鉄道三岐線
2022/12/16~18 工事に伴う東藤原~西藤原間終日運休
●東武スカイツリーライン、鬼怒川線
2022/12/17 一部列車時刻変更
●東武スカイツリーライン、伊勢崎線、佐野線
2022/12/24~25・2023/1/7~8
臨時特急「スカイツリートレイン」運転と一部列車時刻変更
   
詳細は駅すぱあと改訂情報をご覧ください。

次回2023年1月号は、2022年12月21日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行  株式会社ヴァル研究所 https://www.val.co.jp/
発行日 2022年11月30日(水)
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