「駅すぱあとアンテナ」2022年5月号 「新緑に浸る鉄道」





 
新緑が目に眩しい季節の到来です。今月は、かつて利用されていた鉄道のレールを利用して、乗車体験やアクティビティを楽しめるスポットをご紹介します。豊かな自然と鉄道の歴史をいっぺんに感じてみませんか?

まずご紹介するのは森林鉄道です。主に木材を運ぶ目的で開通した森林鉄道は明治時代から昭和40年代頃まで活躍し、全国で1,000もの路線がありました。現在はいくつかの森林鉄道が観光目的として動態保存されています。

長野県木曽郡上松町にある赤沢森林鉄道もそのひとつ。かつては木曽森林鉄道として木材を運んでいましたが、輸送手段がトラックに切り替わり昭和50年に最後の運行を終えました。しばらくは静かな余生を過ごしていましたが、昭和60年の伊勢神宮御用材伐採の際、久々に活躍した姿が全国放送されたことを機に評判が高まり、その2年後から赤沢森林鉄道として運行がスタートしました。

列車が走る赤沢自然休養林は、樹齢300年以上の木曽ヒノキが美しい林。「青森のヒバ」「秋田のスギ」と並び日本三大美林のひとつに数えられると同時に、森林浴発祥の地とも言われています。鉄道の運行距離は往復2.2kmと長くないものの、新緑に覆われた林を駆け抜ける姿はまさに往年の森林鉄道さながら。

現在は感染症対策のため定員を60%に減員して運行しています。今シーズンの運行は4月29日(金・祝)から11月7日(月)までの予定です。

次は、高知県安芸郡馬路(うまじ)村の魚梁瀬(やなせ)森林鉄道です。一帯は二条城などの御用木として重宝された魚梁瀬スギの産地。明治44年に鉄道の運行が始まり、山と海岸を結ぶ主要2路線が昭和初期までに開通しました。地域間を結ぶ唯一の交通手段だったため、木材だけでなく主要物資や住民も乗せて走っていたのだとか。昭和38年に廃線となりましたが、当時の面影を残す遺構が点在し、トンネルや橋などが重要文化財に指定されています。

乗車体験は、魚梁瀬丸山公園内に復元された400mのコースを2週することができます。さらに注目したいのが小学生以上なら運転体験も可能であること。新緑の中を自ら運転して走る"非日常"をぜひ経験してみてはいかがでしょうか。
赤沢森林鉄道(上松町観光サイト)
魚梁瀬森林鉄道(馬路村ふるさとセンター)

次は、廃線跡を利用したアクティビティをご紹介しましょう。

まずは岐阜県飛騨市神岡町で運営するレールマウンテンバイク「ガッタンゴー!!」。2台の自転車をフレームに固定したレールバイクで、旧神岡鉄道のレールの上を走るアクティビティです。

通常のサイクリングでは味わえない「ガタンゴトン」というレールの継ぎ目の音と振動を味わいながら山野を駆け抜けます。

旧神岡鉄道は、かつて神岡鉱山から硫酸を安定輸送するために利用され、全線の6割がトンネルと鉄橋で占めることから「奥飛騨の地下鉄」とも呼ばれていました。廃線となったのは平成16年。その後、町のシンボルであった鉄道遺産を活かすアイデアを地元の有志が出し合い、斬新なアクティビティとして生まれ変わりました。

奥飛騨温泉口駅から神岡鉱山前駅まで往復約5.8kmの道のりを走る「まちなかコース」は、漕ぐ必要のない車いすやサイドカー、観覧座席付きなどバリエーションが豊富で、家族揃って楽しめるところが魅力。旧漆山駅と二ツ屋トンネル間の約6.6kmを往復する「渓谷コース」は、途中に大きな鉄橋があるなどスリル満点でダイナミックな景観が楽しめます。

同じくレールバイクが楽しめる地としておすすめなのが、秋田県大館市を走る「大館・小坂鉄道レールバイク」です。

小坂鉄道は、小坂鉱山の鉱石や濃硫酸の輸送目的で使用されつつ、旅客営業も行っていました。平成21年に廃止となった後、地域活性化を目的に製作された映画にレールバイクが登場。当初は映画の中の架空の産物でしたが、自治体の協力を得ながら観光資源として実現しました。

その魅力は、大自然の真っただ中を走る爽快感。車両も2人乗り、3人乗り、4人乗りに加えて動力車が引っ張るトロッコや電動アシスト付きなどもあり、人数構成に合わせてチョイスすることができます。

なお同施設から自動車で20分ほどの距離に「小坂鉄道レールパーク」があります。小坂鉄道の線路と設備を利用した複合施設で、こちらでも施設内でレールバイク体験が可能。保存車両も複数展示されています。鉄道好きな方はぜひお立ち寄りください。
レールマウンテンバイク「ガッタンゴー!!」
大館・小坂鉄道レールバイク
【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2022年5月号の内容に対応
私鉄および公営は、2022年4月20日現在の時刻表に対応
【臨時ダイヤ】
 
●JR東北新幹線
2022/5/13~ 通常ダイヤで運転
●下田ロープウェイ
2022/4/23~ 営業時間変更
●名鉄
2022/4/28~5/8 「ミュースカイ」全列車運転
●函館山ロープウェイ
2022/4/29~5/8 営業時間変更
●筑波山ケーブル
2022/4/29~5/8 営業時間変更
●筑波山ロープウェイ
2022/4/29~5/8 営業時間変更
●東京モノレール
2022/4/29~5/8の土休日 臨時列車運転
●京都市営地下鉄烏丸線
2022/4/29~5/8の土休日 臨時列車運転
●山陽電鉄
2022/4/29~5/8の土休日 直通特急の須磨浦公園駅臨時停車
●近鉄奈良線
2022/4/30 快速急行・急行の東花園駅臨時停車
●近鉄南大阪線
2022/5/7~22の土休日 臨時急行(葛城高原号)運転
●YOKOHAMA AIR CABIN
2022/5/11 点検に伴う運休
●東武鬼怒川線
2022/5/12・23~25 「SL大樹ふたら」「SL大樹」「DL大樹」運休
   
詳細は駅すぱあと改訂情報をご覧ください。
那覇空港から国頭郡今帰仁村(なきじんそん)の運天(うんてん)港を結ぶ『空港線』ルートと、「瀬底(せそこ)島」と「古宇利(こうり)島」を結ぶ『四島線』ルートを運行している、やんばる急行バス。沖縄本来の自然の魅力が溢れる本島北部の観光の足として重宝されています。

「もともと空港から沖縄を代表する観光スポット『沖縄美ら海水族館』に乗り換えなしでアクセスできるバスがなかったことから空港線が誕生しました。四島線は、瀬底島や古宇利島に加え、水納(みんな)島への船が出る港へのアクセスも良好です。マリンスポーツを楽しまれる観光客や、地域の方々の通勤・通学等にも利用されています」(谷田貝さん)

瀬底島や古宇利島は"橋で渡れる離島"。水納島と伊江島もフェリーで気軽に渡れます。

「どの島も自然豊かで美しいですよ。古宇利島はパワースポットとしても人気ですね。瀬底島もビーチが美しく、おしゃれなカフェなども点在しています。美ら海水族館のある海洋博公園には他にも魅力的な施設が複数ありますし、世界遺産の「今帰仁城跡」も沖縄の絶景をお楽しみいただけます。また、近年は一棟貸しのコテージや古民家などが民泊施設として増えていて、お泊りの方にとって便利なよう、四島線の一部エリアではバス停以外のどこでも乗降可能にしています。手を挙げてバスに乗って、当社の名物運転手と沖縄の話で盛り上がったりするのも、旅の魅力のひとつに感じてもらえたら嬉しいですね」(谷田貝さん)

運転手の山口さんは、ガイドしたり、風光明媚な場所で停まって写真を撮るように勧めたり、乗客の一人ひとりに声を掛けたりと、利用した方から感謝の手紙が届くほどの有名人だそうです。旅先で人の温かさに触れると癒されますね。

ちなみに公式ホームページにある「バスどこ?」システムもお客様目線に立っているなと感じます。

「沖縄は渋滞もあるので、どのくらい車内が混んでいて、現在どこを走っているかリアルタイムで確認いただくことでスムーズな旅を過ごしてもらいたいですね。バスだと自家用車よりも高い目線で車窓を楽しめますし、お酒も飲めます。自然が多く残り、静かでゆったりとした時間が流れている沖縄を、ぜひ体感していただきたいですね」 (谷田貝さん)

国際通り周辺の賑わいもいいけれど、沖縄の本来の姿が残る北部への旅も魅力ですね!ぜひ皆様も旅の計画を立ててみてはいかがですか?
ホームページ:https://yanbaru-expressbus.com/
次回2022年6月号は、2022年5月25日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行  株式会社ヴァル研究所 https://www.val.co.jp/
発行日 2022年4月27日(水)
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