次は、廃線跡を利用したアクティビティをご紹介しましょう。
まずは岐阜県飛騨市神岡町で運営するレールマウンテンバイク「ガッタンゴー!!」。2台の自転車をフレームに固定したレールバイクで、旧神岡鉄道のレールの上を走るアクティビティです。
通常のサイクリングでは味わえない「ガタンゴトン」というレールの継ぎ目の音と振動を味わいながら山野を駆け抜けます。
旧神岡鉄道は、かつて神岡鉱山から硫酸を安定輸送するために利用され、全線の6割がトンネルと鉄橋で占めることから「奥飛騨の地下鉄」とも呼ばれていました。廃線となったのは平成16年。その後、町のシンボルであった鉄道遺産を活かすアイデアを地元の有志が出し合い、斬新なアクティビティとして生まれ変わりました。
奥飛騨温泉口駅から神岡鉱山前駅まで往復約5.8kmの道のりを走る「まちなかコース」は、漕ぐ必要のない車いすやサイドカー、観覧座席付きなどバリエーションが豊富で、家族揃って楽しめるところが魅力。旧漆山駅と二ツ屋トンネル間の約6.6kmを往復する「渓谷コース」は、途中に大きな鉄橋があるなどスリル満点でダイナミックな景観が楽しめます。
同じくレールバイクが楽しめる地としておすすめなのが、秋田県大館市を走る「大館・小坂鉄道レールバイク」です。
小坂鉄道は、小坂鉱山の鉱石や濃硫酸の輸送目的で使用されつつ、旅客営業も行っていました。平成21年に廃止となった後、地域活性化を目的に製作された映画にレールバイクが登場。当初は映画の中の架空の産物でしたが、自治体の協力を得ながら観光資源として実現しました。
その魅力は、大自然の真っただ中を走る爽快感。車両も2人乗り、3人乗り、4人乗りに加えて動力車が引っ張るトロッコや電動アシスト付きなどもあり、人数構成に合わせてチョイスすることができます。
なお同施設から自動車で20分ほどの距離に「小坂鉄道レールパーク」があります。小坂鉄道の線路と設備を利用した複合施設で、こちらでも施設内でレールバイク体験が可能。保存車両も複数展示されています。鉄道好きな方はぜひお立ち寄りください。