「駅すぱあとアンテナ」2022年6月号 「祭囃子、久々に」





 
少しずつではありますが各地で祭りが開催され、懐かしい祭囃子を耳にする機会も増えてきています。今月は、規模を縮小するなど感染対策を施して開催される祭りをご紹介します。

まずは北陸、富山から。砺波・南砺地方にて例年6月上旬に行われる、夜高(よたか)祭をご紹介しましょう。

一カ所だけでなく複数の地域で行われるこの祭りの見どころは、大小の夜高行燈(よたかあんどん)。その昔、町全体が大火で焼失し、復興に取り掛かる際に神社を創建する運びとなり、伊勢神宮の分霊を迎えるために使者が伊勢に向かいました。その帰り道に夜となり、使者一行を迎えるために町民たちが行燈で迎えたことが始まりといわれています。この地域で最も古い歴史を持つ「福野夜高祭」がこれにあたり、今年はGW期間中に3年ぶりに開催されました。

一方で、この地域の6月上旬はちょうど田植えを終えた頃合いで、休みを取る意味の「やすんごと(休んごと)」と呼ばれていました。ひと段落した時期を利用して五穀豊穣を願う田祭りが行われており、そこに行燈づくりのノウハウが福野地域から伝わって、各地で夜高祭が行われるようになりました。

砺波市の中心部で行われていた「となみ夜高まつり」も、3年ぶりに開催が決まりました。日程は6月10日(金)、11日(土)の2日間。若い衆たちが歌う夜高節と、「ヨイヤサ!ヨイヤサ!」の掛け声の中、鮮烈な色を放つ夜高行燈が街中で練り回されます。例年、祭りのクライマックスとして大行燈同士をぶつけ合う「突き合わせ」が行われますが、大行燈の制作に時間を要することと、人手も必要で密が避けられないため中止とのこと。行燈の数も縮小されますが、宵闇を照らす行燈の火が戻ってきたことが何よりも嬉しいところです。

6月3日(金)、4日(土)には小矢部市津沢地区で「津沢夜高あんどん祭」が、6月4日(土)、5日(日)には砺波市の庄川地区一円で「庄川観光祭」が開催されます。いずれも3年ぶりに夜高行燈が街を巡行。今はどの地区でも、行燈作りに精を出している頃でしょう。

なお、今年は「青森ねぶた祭」や「京都祇園祭」の山鉾巡行も実施される予定です。まだまだ予断を許さないコロナ禍が続いていますが、夜を彩る風物詩が、だんだんと戻りつつあります。
となみ夜高まつり
津沢夜高あんどん祭(金沢・富山県西部広域観光推進協議会)
庄川観光祭

北海道の初夏を代表する祭りといえば「YOSAKOIソーラン祭り」。昨年、一昨年は中止となりましたが、感染防止対策を十分にとったうえで今年は6月8日(水)から12日(日)にかけて開催されることになりました。

高知県の「よさこい祭り」をルーツとし、よさこいで欠かせない「鳴子」と北海道の民謡「ソーラン節」をミックスして1992年に生まれたのが「YOSAKOIソーラン祭り」。年々参加するチームが増え、コロナ禍以前の2019年には約280チームが参加する大規模なイベントとなりました。

そのルールは「曲にソーラン節のフレーズが入っていること」と「鳴子を持って踊ること」。鮮やかな衣装をまとい、踊り子達がエネルギッシュに躍動する姿に、観る側もパワーをもらえる祭りです。札幌の大通公園を中心に、市内各会場で開催されるほか、帯広市と上川管内東神楽町の2カ所に「サテライト会場」が出現する予定です。

なお、コースの縮小や、観覧エリアとその他のエリア(通行エリアなど)の分離、桟敷席の透明幕の設置、踊り子の演舞中のマスク着用などの感染防止対策が施されます。訪れる際は公式ホームページでご確認のうえ、お出かけください。

ちなみに今年は、岩手県の「盛岡さんさ踊り」、富山県の「越中おわら風の盆」、山形県の「山形花笠まつり」、徳島県の「阿波踊り」など、踊り手が街を練り歩く祭りが各地で開催される予定です。

そのうちのひとつがYOSAKOIソーラン祭りのルーツにあたる、高知県の「よさこい祭り」。今年は8月10日(水)、11日(木・祝)の2日間に短縮され、「よさこい鳴子踊り特別演舞」と銘打っての開催です。ただし、8月1日(月)の時点で県内にまん延防止等重点措置や緊急事態宣言が出されている場合は中止となります。

街が活気を帯び、人びとが元気になれる全国各地の祭り。無事開催されることを心待ちにしています。
YOSAKOIソーラン祭り
南国土佐・高知 よさこい祭り
【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2022年5月号の内容に対応
私鉄および公営は、2022年5月17日現在の時刻表に対応
【臨時ダイヤ】
 
●ゆいレール
2022/5/20 特別ダイヤ
●近鉄奈良線
2022/5/27~28 快速急行・急行列車の東花園駅臨時停車
●小田急小田原線
2022/6/4~12の土休日 一部特急列車の開成駅臨時停車
●日本平ロープウェイ
2022/6/13~7/21 点検に伴う運休
   
詳細は駅すぱあと改訂情報をご覧ください。
高知県中部を中心としたエリアで路面電車・路線バス・高速バス・貸切バスなどを運営している、とさでん交通。2014年に土佐電気鉄道・高知県交通・土佐電ドリームサービスの3社が経営統合して誕生しました。しかし、そのルーツは100年以上も前に遡ります。

『高知市内を路面電車が初めて走ったのは1904年(明治37年)です。以来、観光客や市民の足として活躍してきました。1905年に製造された車両を復元したレプリカ「維新号」や昭和10~20年代に製造された外国の車両も、現在は貸切列車として運行中です。一方で最新の超低床式電車「ハートラム2(正しくはローマ数字)」も通常運行しています。古今東西の車両が見られるので「路面電車のミュージアムのようだ」と言われることもありますね』(南部さん)

最新の車両で快適に移動し、運が良ければレトロ車両が走る姿にも遭遇できます!ちなみに沿線には「とさでん交通車庫」があり、その一画から様々な車両を眺めることもできるそうです。さて、気になるオススメの観光スポットは?

『まずは高知城です。天守が現存している全国12城のうちのひとつで、日本で唯一本丸の建築群がすべて現存するお城です。ぜひ天守に登ってお殿様気分を味わってほしいですね。その他、「龍馬の生まれたまち記念館」や「坂本龍馬誕生地」といった幕末ゆかりの地や、約60店舗が軒を連ねる屋台村風商店街「ひろめ市場」へのアクセスにも路面電車が便利です。今年5月から新たに電車一日乗車券のモバイルチケット販売もスタートしました。スマホ画面を掲示するだけで何度でも乗り降りできて優待特典クーポンもついてますのでぜひ利用していただきたいですね』(南部さん)

市内に観光名所が集まっているため、旅行に重宝しそうです。なお、龍馬像が建つ高知の観光名所・桂浜へのアクセスはバスがオススメとのこと。

『桂浜など市内中心部から少し離れた観光スポットへのアクセスは、JR高知駅前から乗車できる「MY遊バス」が便利です。バスで行ける高知県立牧野植物園も、四季を通じて色々な花が咲いていてオススメですね。ちなみに同園は、高知が生んだ植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設で、博士の生涯を描いたNHKの朝の連続テレビ小説「らんまん」が、2023年春から始まります。署名活動などもしてドラマ化を要望してきましたので地元は大いに盛り上がっていますよ』(南部さん)

盛り上がっているといえば、今年は3年ぶりに「よさこい祭り」の開催が決まりましたね。

『皆が心待ちにしていましたから感無量です。よさこいも、海も山も川も満喫できる高知の旅にぜひお越しいただきたいですね。もちろん海の幸や地酒などのグルメも満喫してほしいです。厳しいコロナ禍ではありますが、お客様から「頑張ってね!」と言われることも多く、これからも交通機関として貢献できたらと思っています』 (南部さん)

お話ありがとうございました!皆様も南国・土佐の旅、ぜひ計画してみてはいかがですか?
ホームページ:https://www.tosaden.co.jp/
◎ 『スルッとKANSAI電車&バスまつり』◎
https://www.surutto.com/bus/

アルピコ交通株式会社が運行する上高地線は、長野県・松本から新島々(14.4km)を結ぶ鉄道路線です。 北アルプスの麓、松本市の西部を走り地域輸送としての役割のほか、終点の新島々駅に併設されたバスターミナルを介し、上高地・乗鞍・白骨温泉方面への玄関口として、登山や山岳リゾートを楽しむ多くの観光客が利用しています。 新島々駅へ向けて進む車窓からは、のどかな里山の風景と、雄大な北アルプスの山々の景色を望むことができます。

2021年8月の豪雨は、降水量の少ない松本にとって記録的な雨量をもたらし、河川増水の影響を受けて、西松本駅~渚駅間にかかる田川橋りょうが被災しました。現在も田川橋りょうは復旧工事中で、松本駅~渚駅間は、バスによる代行輸送を行っています。

自治体から復旧工事費用の補助を受けているものの、橋りょうの被災に加えて長引く新型コロナウイルス感染症の影響で、上高地線の業績は大変厳しい状況です。 本プロジェクトで集まった寄付金は、上高地線の復旧と運行継続のために活用いただきます。
期間:2022年3月22日(火)~2022年6月22日(水)
次回2022年7月号は、2022年6月29日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行日 2022年5月25日(水)
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