2022年に予定されている、その他の鉄道ニュースもご紹介します。
まずは、惜しまれつつも引退を迎える車両から。2022年3月11日(金)、小田急電鉄の「特急ロマンスカー・VSE(50000形)」が、通常ダイヤでの定期運行を終えます。
「VSE」のデビューは2005年。シルキーホワイトを基調とした美しい外観と、ロマンスカーの代名詞といえる展望席、高い天井に約4mの連続窓、ゆとりあるシートピッチによる高い居住性などを備え、"旅の工程そのものを楽しむ"ことができる列車として高い人気を誇りました。
定期運行終了となった理由は、車両の経年劣化や主要機器の更新が困難になる見込みであること。2022年1月29日(土)からラストランまで、車体には記念装飾が施されます。
一方、西九州新幹線がお目見えとなるJR九州では、特急「はやとの風」が、2022年3月21日(月・祝)にラストランを迎えます。
肥薩線の吉松駅と鹿児島中央駅を結ぶ同特急は、ダイナミックな車窓を楽しめる展望スペースをはじめ、木の温もり溢れる客室が魅力。さらに、桜島を背景とする錦江湾沿いを走り、明治36年に開業した嘉例川駅や、太平洋戦争時の戦火を逃れた大隅横川駅などの沿線風景と、漆黒のボディで走る「はやとの風」がマッチして、ノスタルジックな旅を満喫できました。
運転終了後、「はやとの風」の予備車両は、先ほど紹介した「ふたつ星4047」に生まれ変わります。佐賀・長崎に場所を移し、魅力ある鉄道の旅を支えてくれることになります。
喜ばしい"再開"のニュースもあります。全国屈指の秘境路線といえるJR只見線です。福島県会津若松駅と、新潟県の小出駅まで36駅、135,2kmを結ぶ路線が、2022年秋に全線で運転再開となる予定です。
2011年7月、東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県。さらに同年7月に発生した新潟・福島豪雨で、只見線は橋梁の流出や、土砂崩れによる線路の崩壊などの被害を受けました。その後、懸命な復旧作業によって大部分で運行が再開されたものの、被害が大きかった会津川口駅~只見駅間は代行バスの運行が続いています。11年ぶりの全線復旧で、秋の紅葉や冬の雪深い情緒を車窓からゆったりと味わってみたいところです。
心置きなく鉄道の旅が楽しめる日が来ることを祈りつつ、ぜひ皆様も旅のイメージを膨らませてみてはいかがですか。