「駅すぱあとアンテナ」2023年2月号 「行き先を委ねる鉄旅」





 
「明確な目的地はないけれど、どこかに旅したい」と感じている方もいらっしゃるのでは?そんな方に向けて最適かつお得なきっぷが、JR東日本とJR西日本から発売されています。ユニークでワクワクする"行き先を委ねる旅"にチャレンジしてみませんか?

まずはJR西日本がリリースしているユニークなサービスからご紹介しましょう。旅の目的地を決めるのは、なんとサイコロ。ネット予約サービス「e5489」にて、第3弾「大阪発サイコロきっぷ」を発売しています。

料金は1人当たり1回5,000円。これに往復JR(新幹線・特急列車)普通指定席の料金と、行き先ごとの特典が含まれています。1回のサイコロで最大3名分までのきっぷを購入することができるので、ご家族や友人との旅も可能です。

発着地は大阪市内で、気になるサイコロの"出目"は、加賀温泉駅(福井駅)、出雲市駅(米子駅)、湯田温泉駅(新山口駅)、博多駅の4駅。かっこ内の駅で途中下車することもできます。いずれも魅力的な目的地ですが、温泉を心ゆくまで楽しみたい方は、サイコロで加賀温泉駅や湯田温泉駅が出たらウェルカムでしょう。

加賀温泉駅は、3つの温泉地を総称する「加賀温泉郷」の拠点。柴山潟湖畔の風景を満喫できる片山津温泉、温泉宿や商店が立ち並ぶ「湯の曲輪(ゆのがわ)」という街並みがノスタルジックな山代温泉、かの松尾芭蕉が称賛し、鶴仙渓などの渓谷美が楽しめる山中温泉と、お好みに合わせて最終目的地をチョイスできます。また、湯田温泉駅を拠点とする湯田温泉は、美肌の湯として有名。白狐が見つけたという伝説も残ることから、街中には狐のオブジェや郵便ポストなどが点在。それらを探しながらの散策は、お子さんも喜びそうです。

それぞれの目が出る確率が異なっているのも面白いところ。加賀温泉は1/3、出雲市は1/3、湯田温泉は2/9で、湯田温泉が出た場合のみ、レア駅「博多」が当たるチャンス!博多の確率は1/9です。博多の場合、通常のきっぷに比べて最大82%もの割引率なので"レア"なのも頷けます。

エントリー期間は2月5日(日)まで。エントリー後に「大阪発サイコロきっぷ」を購入することができます。きっぷの発売期間は2月12日(日)まで。利用期間は2月14日(火)までの連続する3日間となっています。
サイコロきっぷ(JR西日本)

一方で、JR東日本もユニークなサービスを昨年12月からスタートさせました。貯めた 「JRE POINT」6,000ポイントで、オススメの4つの駅の"どこかに"新幹線で向かう「どこかにビューーン!」です。「JRE POINT」を「Suica」にチャージする際、「1ポイント=1円」換算となるので、実質6,000円で往復の新幹線を利用できるお得さがあります。

発着駅は東京駅、大宮駅、上野駅のいずれか。行き先候補となる駅は、東北新幹線が那須塩原駅~新青森駅。秋田新幹線が雫石駅~秋田駅。山形市幹線が米沢駅~新庄駅。上越新幹線が上毛高原駅~新潟駅(冬期限定でガーラ湯沢駅含む)。北陸新幹線が安中榛名駅~上越妙高駅。計47駅となっています。

行き先候補は、4つずつ表示されます。「この4つか…ピンとこないな」という場合は再検索することで別の4駅がランダムに表示される仕組みです。すなわち「この4つなら、目的地がどこになったとしても満足できる!」となった場合に申し込むのがおすすめです。友人や家族と出かけたい場合は、それぞれのポイントを使って並び席で旅行することができます。

さて、冬の東日本の旅といえば雪景色や地域の冬まつり、温泉、冬の味覚、スキーなどのレジャーと、地域によって多種多様です。ただ、このサービスの場合は目的地が決まってから細かい旅の計画を立てる楽しさも味わえそうです。

たとえば"どこか"が青森県の八戸駅だった場合、朝市など八戸観光もさることながら、十和田湖へ向かうバスに乗り継ぎ、冬期に開催しているイベント「十和田湖冬物語」を楽しむといったこともできるでしょう。"どこか"が福島県の郡山駅だった場合は、JR磐越西線に乗り継いで会津若松を観光するなど、周辺地域まで視野を広げてみると旅のバリエーションがグンと広がります。

この新サービスは、貯まった「マイル」をお得に活用できるJALの「どこかにマイル」に近いといえるでしょう。さて、ここで課題となるのは「JRE POINT」の貯め方です。基本的には鉄道やビューカードの利用やショッピングで貯めることができますが、2月28日(火)まで開催している「マイナポイントで『どこかにビューーン!』」キャンペーンを利用するのもひとつの手。通常6,000ポイントのところ、4,000ポイントで「どこかにビューーン!」を利用できるクーポンを入手できます。「どこかにビューーン!」自体、期間限定サービスではないので、コツコツと貯めて利用するのもよいでしょう。

機会があればぜひ、"委ねる旅"を楽しんでみてほしいと思います。
どこかにビューーン!(JR東日本)
 
沖縄本島南部に位置する南城市内を走る「Nバス」は、令和元年に運行がスタートした公共交通バス。市内の中央に位置する市役所を拠点としてルートを再編成し、市内周遊を「Nバス」が担い、市外へのアクセスを民間のバス会社が担うスタイルに整備されました。

『それぞれカラーが異なる9台の車両で運行しています。いわゆるコミュニティバスはご当地キャラクターを全面に出すデザインも多いかと思いますが、あえてシンプルでモダンな外装に仕上げました。また、利用の促進も重要な課題です。

そこで青森県八戸市の公共交通バスの取り組みにならい、南城市公共交通アテンダント「Nバス娘」を発足させました。

初めて利用される方への乗り方レクチャーをはじめ、乗り継ぎのご案内や季節に応じたイベントを開催して利用を促しています。その一方で、現在バスがどこを走っているか分かるバスロケーションシステムや、キャッシュレスで利用できる電子チケットの販売など、オンラインを活用した取り組みも行っています』(大田さん)

地元の方々はもちろん、観光で訪れる方にも「Nバス娘」さんの案内やロケーションシステムは便利そうですね。沿線のおすすめの観光地はどこでしょう?

『代表的な観光スポットは、世界文化遺産に指定されている斎場御嶽(せーふぁうたき)ですね。琉球王国最高の聖地ともいわれ、パワースポット巡りで訪れる方が多くいらっしゃいます。その斎場御嶽からみえる久高島(くだかじま)もパワースポットとして人気です。琉球をつくった神様が最初に降り立った地といわれ、久高島への船が出る港にもNバスでアクセスすることができます。また、国内最大級の鍾乳洞「玉泉洞」も神秘的で、テーマパーク「おきなわワールド」内にあります。同パークには琉球王国の城下町を再現したエリアや、伝統芸能「エイサー」のパフォーマンス、琉球ガラス工房などもあり、沖縄文化をまるごと体感することができますよ』(大田さん)

沖縄観光というと、那覇や北谷、名護などをイメージしがちですが、本島南部も魅力がいっぱいですね。1日かけて巡りたくなりました。

『他にもまだまだありますよ。Nバスは、本島南部の絶景スポットに数えらえれるニライカナイ橋も通っています。車窓からの眺めも格別ですし、時間に余裕があれば下車して展望台からの絶景も楽しんでいただきたいですね。また、海岸沿いにはオシャレなカフェやレストランも点在していて、景色を楽しみながら食事することができます。本島から橋でつながっている奥武島(おうじま)は、フワッとした衣の"沖縄てんぷら"のお店があることで有名です。沖縄ではおやつとしても親しまれていますので、週末にはズラリと行列ができることもあるんですよ。ぜひNバスの一日乗車券をご利用いただいて、沖縄南部の旅をゆったりと満喫しにいらしてください。マリンスポーツも楽しめますよ』(大田さん)

お話ありがとうございました。忙しい日常から解放され、心身ともに原点回帰できるようなスピリチュアルな旅。ぜひ計画を立て、訪れてみてはいかがですか。
 

南城市Nバス:
https://nbus-nanjo.jp/

Nバス娘が運営するNバス公式Twitterでは、
Nバスや市内観光地などの様々な情報を
発信しています。

※写真は南城市役所より提供

【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2023年1月号の内容に対応
私鉄および公営は、2023年1月17日現在の時刻表に対応
【臨時ダイヤ】
 
●ぎふ金華山ロープウェー
2023/1/21~29の土休日 営業時間延長
●ニューシャトル
2023/1/22 臨時列車運転
●広島電鉄
2023/1/22 都道府県対抗男子駅伝開催に伴う臨時ダイヤ
●大井川鐵道井川線
2023/1/23~2/3 工事に伴う一部運休
●下田ロープウェイ
2023/1/23~2/4 点検に伴う運休
●六甲有馬ロープウェー
2023/1/23~2/19 点検に伴う運休
●榛名山ロープウェイ
2023/1/24~2/28の火曜 運休
●和歌山電鐵
2023/1/28 工事に伴う一部列車運休・代行バス運転
●西武池袋線
2023/1/29 奥むさし駅伝開催に伴う臨時ダイヤ
●昇仙峡ロープウェイ
2023/1/30~2/10 点検に伴う運休
●八幡山ロープウェー
2023/2/1~10 点検に伴う運休
●東武鬼怒川線
2023/2/1~28 「SL大樹」「DL大樹」運転
●ゆいレール
2023/2/4~25の土曜・23・26 臨時ダイヤ
●近鉄
2023/2/4~26の土休日 臨時特急運転
●東武スカイツリーライン、伊勢崎線、日光線、鬼怒川線
2023/2/4~3/12の土休日 臨時特急運転と一部列車の時刻変更
●西武多摩湖線、山口線
2023/2/5~26の土休日 臨時列車運転
●東武日光線
2023/2/5・12・19・25~26
JR直通臨時特急列車運転に伴う一部列車の時刻変更
●摩耶ケーブル
2023/2/6~3/15 点検に伴う運休
●南海線
2023/2/11~ 特急「ラピート」増発と一部列車の時刻変更
●東武佐野線
2023/2/15 一部列車の時刻変更
●東武小泉線
2023/2/22 一部列車の時刻変更
   
詳細は駅すぱあと改訂情報をご覧ください。
次回2023年3月号は、2023年2月22日(水)配信予定です。お楽しみに!
メールマガジン配信の登録・変更・停止
お手持ちの『駅すぱあと』登録番号とパスワードをご用意ください。
https://secure.ekiworld.net/eworld/menu/menu.do?event=18
発行  株式会社ヴァル研究所 https://www.val.co.jp/
発行日 2023年1月25日(水)
お問い合わせ https://ekispert.jp/contact/
本メールは『駅すぱあと』登録ユーザーの方でメール配信をご希望されたお客様にお送りしています。


当社の個人情報保護方針ならびにポリシーについては以下をご覧ください。
<個人情報保護について> https://www.val.co.jp/privacy.html

この記事は役に立ちましたか?

他にご質問がございましたら、Webフォームからお問い合わせください