「駅すぱあとアンテナ」2023年3月号 「2023年の乗りものニュース」





 
今月は、新春恒例のニュース特集。新型観光特急や未来の交通機関、首都圏を走る私鉄の直通運転スタートなど、2023年注目のトピックスをご紹介します。

まずは注目度が高い新型車両からご紹介しましょう。2023年7月15日(土)にデビューを飾る、東武鉄道の新型特急「スペーシアX」です。

運行区間は東武スカイツリーライン・日光線・鬼怒川線の浅草駅~東武日光駅・鬼怒川温泉駅間。途中、とうきょうスカイツリー駅や北千住駅、春日部駅、栃木駅、新鹿沼駅、下今市駅、東武ワールドスクウェア駅に停車します。

浅草と日光・鬼怒川方面を結ぶ観光の足として1990年にデビューした100系「スペーシア」も、ラグジュアリーな居住性がひとつの特徴でしたが、「スペーシアX」ではさらに進化。通常座席に加え、半個室、個室、ラウンジタイプ座席などバリエーション豊富なうえ、最上級の「コックピットスイート」はプライベートジェットをイメージした"走るスイートルーム"がコンセプト。前方や側面の車窓を楽しみつつ、ソファーは固定されていない仕様で自由に配置できます。それでいて、急停止等のの際にも動かないよう設定されているところがポイントです。

続いてご紹介するのは、北東北を走る新たな観光列車「ひなび(陽旅)」です。デビューは2023年度の冬頃になる見込みです。

車両は、現在北東北を運行している「リゾートあすなろ」を改造。外装には、かつて岩手エリアを走る気動車によく使われていた、通称「盛岡色」と呼ばれる「白地に赤」のデザインが採用されます。また少し先のデビューとなるため、運行区間は「岩手県と青森県の各駅」との発表に留まっています。なお、同じく「リゾートあすなろ」を改造した新観光列車「SATONO」も2024年春頃から運行される予定で、「リゾートあすなろ」自体の運行は終了予定とのこと。新たに生まれ変わって活躍する観光列車に期待が集まります。

新しい列車が登場する一方で、1986年のデビュー以来、北海道各地で活躍してきた「キハ183系」、昨年定期運行が終了し、2023年秋頃に引退予定の小田急ロマンスカー「VSE(50000形)」、東日本大震災の被災地を元気づけるためJR釜石線で運行されていた「SL銀河」など、引退を迎える列車もあります。右の写真の「奥出雲おろち号」もそのひとつ。1998年のデビュー以来、島根県と広島県を結ぶJR木次線を舞台に、観光トロッコ列車として人気を博してきましたが、車両の老朽化によって2023年度で運行が終了します。「おつかれさま」とねぎらう気持ちで、ラストランを迎える車両に乗りに行きたいものですね。
新型特急スペーシア X 特設サイト
ひなび(JR東日本)※PDFが開きます。

通勤・通学など都市部の移動に関わるトピックスもご紹介しましょう。まずは栃木県宇都宮市を中心に運行する「芳賀・宇都宮ライトレール」です。

運行区間はJR宇都宮駅東口と、芳賀町の芳賀・高根沢工業団地間。観光というよりは、地元の方々の足として機能する交通機関となりますが、「一度、乗ってみたい」と感じさせてくれるのは「LRT(Light Rail Transit)」だからこそ。スタイリッシュな外観に、スムーズに乗降ができる低床式車両、騒音や振動も従来の路面電車より抑えられています。すでにLRTが運行している富山県まで行かずとも、首都圏から容易にアクセスして乗車体験できるようになるのは、乗りものファンにとって嬉しいニュースといえそうです。

ちなみに、LRTはJR宇都宮駅の東側を走ることになりますが、西側への導入も検討されています。ゆくゆくは大谷資料館や大谷観音などの観光名所が点在する大谷エリアまで、LRTでアクセスできるようになるかもしれません。

続いては、ダイヤ改正シーズン真っただ中の2023年3月18日(土)からスタートする相鉄線・東急線の相互直通運転です。西谷駅~新横浜駅間が相鉄新横浜線、新横浜駅~日吉駅が東急新横浜線として開業します。

これにより、相鉄線二俣川駅から渋谷駅まで乗り換えなしでダイレクトにアクセスできるようになり、所要時間も現在に比べ約22分短縮されます。また、新横浜駅を経由するため東海道新幹線の利用時にも便利。相鉄、東急の駅だけでなく、東武東上線沿線の朝霞台駅や川越駅などからも、乗り換えせずダイレクトに新横浜駅までアクセスできるようになります。

最後は大阪のトピックスをご紹介。3月18日(土)、JR大阪駅の北、かつて梅田貨物駅だった敷地を再開発した「うめきた」エリアに、大阪駅の地下ホームが開業します。このホームには、これまで大阪駅に停車しなかった関西空港へのアクセス特急「はるか」や、関西と和歌山方面を結ぶ特急「くろしお」も停車。現在は新大阪駅どまりの「おおさか東線」の乗り入れも始まり、各方面への移動がいっそう便利になります。

また、2025年に開催予定の大阪・関西万博へのアクセス手段となる大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)中央線に、この春、新型車両「400系」が導入される予定です。車両の"顔"がなんとも特徴的で、宇宙船をイメージさせる未来的なデザインとなっています。

ぜひ新たな車両や路線を駆使して、より快適な移動を体験してみてはいかがですか?
宇都宮ライトレール
相鉄・東急 新横浜線 2023年3月開業予定(東急電鉄)
相鉄・東急直通線開業(相模鉄道)
東海道線支線地下化・新駅設置(JR西日本)
 
 
鹿児島市と沖縄本島のちょうど中間に位置する奄美大島は、2021年に徳之島、沖縄島北部、西表島と共に世界自然遺産に登録されました。その奄美大島で、住民の足として、観光の移動手段として重宝されているのが「しまバス」です。さっそく、おすすめの観光名所を教えていただけますか?

『島の北部、中心部、南部と順にご紹介しますね。まず北部ですと奄美パーク。奄美の自然、歴史、文化がいっぺんにわかる施設で、奄美の自然を描き続けた画家、田中一村さんの記念美術館も併設されています。北部から島の中心部へ移動する道中には、近年SNSなどで注目を集めている「ハートロック」があります。美しいハートのカタチをした潮だまりなのですが、見頃は干潮の時なので潮見表をチェックしてからのお出かけがおすすめ。春は日中に干潮になる日が多く、今の季節はハートの周りに青々としたアオサが茂り、コントラストがキレイですよ。あと、お土産にも最適なのが「原ハブ屋」さん。ハブの革や骨を使った財布など小物を販売していて、ハブのショーも開催しています。名物社長さんの喋りも楽しいですよ』(武住さん)

北部だけでも多種多彩な見どころがあるんですね。中心部と南部はいかがですか?

『世界自然遺産登録に伴って、2022年7月に奄美大島世界遺産センターがオープンしています。センター内には、奄美大島の森と生き物を実際にフィールドを歩いているように体感・観察できる再現フィールドや数々の展示があります。そして、奄美観光で訪れた方の多くが足を運ぶのが「マングローブパーク」。日本で2番目に大きいマングローブの森にはたくさんの生き物が生息していて、カヌーでの体験をぜひともおすすめしたいです。一方、南部のおすすめは、本島のすぐ南隣にある加計呂麻島(かけろまじま)ですね。本島よりもさらに静かで海の色も違いますし、ゆったりした時間が流れています。フェリーの発着時間に合わせてバスを運行していますので、ぜひご利用いただきたいですね』(武住さん)

自然が好きな方は大いに楽しめそうです。ところで、おすすめのグルメは何でしょう?

『鶏飯(けいはん)ですね。炊き込みご飯ではなく、鶏の出汁をかけて食べる"お茶漬け"系です。おすすめの店は「ひさ倉」さん。空港と名瀬市を結ぶバス路線に「屋入ひさ倉前」バス停があるのでアクセスも便利です。お酒を飲まれる方でしたら、黒糖焼酎「里の曙」で知られる町田酒造さん。見学や試飲もできますよ』(武住さん)

「里の曙」、よく飲みます(笑)。 最後に一言、「旅したい」と思っている方にメッセージを頂戴できますか?

『南の島というと、マリンスポーツなどのアクティビティをイメージされる方もいらっしゃると思います。もちろん奄美大島でも楽しめますし、空港から程近いところにある「あやまる岬観光公園」など絶景が満喫できる観光名所も点在しています。一方で、たとえば郊外でバスを降りて延々と続く海岸線を眺めてみたり、小さな集落を訪れてみたりと、"島の日常"の空気も楽しんでもらえたら嬉しいですね。来島の際には、ぜひ当社の路線バス乗り放題券もご活用ください』(武住さん)

お話ありがとうございました。種子島や屋久島、沖縄本島とも違う、奄美大島の"島時間"をぜひ味わいに行ってみてはいかがですか?
 
 
 
 
 
   
【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2023年2月号の内容に対応
私鉄および公営は、2023年2月15日現在の時刻表に対応
【ダイヤ】
●阿佐海岸鉄道
2023/3/11 改正
●福岡市地下鉄七隈線
2023/3/11 改正
●大井川鐵道井川線
2023/3/13 改正
●上田電鉄
2023/3/18 改正
●名鉄
2023/3/18 改正
【臨時ダイヤ】
 
●宮島ロープウエー
2023/2/13~3/10 点検に伴う運休
●アストラムライン
2023/2/18 臨時列車運転
●西鉄天神大牟田線
2023/2/18~19 一部特急列車の三潴駅臨時停車
●京王線
2023/2/23~26 一部特急・急行列車の百草園駅臨時停車
●榛名山ロープウェイ
2023/3/1~17 点検に伴う運休
●六甲ケーブル
2023/3/9~10 工事に伴う運休・代行バス運転
   
詳細は駅すぱあと改訂情報をご覧ください。
次回2023年4月号は、2023年3月29日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行  株式会社ヴァル研究所 https://www.val.co.jp/
発行日 2023年2月22日(水)
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