「駅すぱあとアンテナ」2023年4月号 「祭り情緒と桜」

 
 
桜のシーズンがやってきました。桜祭りもコロナ以前のように開催されているところがたくさんあります。その中で、日本らしい情緒を感じられるおすすめの祭りをご紹介します。

愛知県北端に位置する犬山市は、博物館明治村やモンキーパークなどレジャースポットが充実した観光都市。その象徴的存在といえるのが国宝・犬山城です。今もなお、木曽川のほとりの小高い山の上で、美しい姿を見せてくれています。そんな犬山城を中心に、春の風物詩として行われているのが犬山祭です。

犬山祭は、犬山城の南に鎮座する針綱神社の祭礼。ユネスコ無形文化遺産、国の重要無形民俗文化財に指定されています。開催は毎年4月の第一土曜と日曜で、2023年は4月1日(土)が「試楽祭」、2日(日)が「本楽祭」です。

注目は、華やかな「車山(やま)」の巡行。13の町から車山が出され、桜が舞い散る城下町を練り歩きます。それぞれの車山にはからくり人形が備わっており、笛や太鼓に合わせて軽妙な動きを披露。また、重さ3tを超える車山を男衆が豪快に持ち上げ、方向転換する「どんでん」も大きな見どころとなっています。夜になるとそれぞれの車山に365個もの提灯がともされ、幻想的な夜祭風景を満喫することが可能です。城下町の風情と併せてお楽しみください。

続いてご紹介するのは、岩手県北上市で開催される北上展勝地さくらまつり。北上展勝地は、青森の弘前、秋田の角館と並ぶ「みちのく三大桜名所」のひとつです。例年4月中旬から下旬にかけて見頃を迎え、その時期に合わせて「北上展勝地さくらまつり」が開催されます。

北上川沿いに約2kmにわたって続く、樹齢100年ほどのソメイヨシノの桜並木。満開になると桜がトンネル状になり、華やいだ雰囲気に包まれます。注目したいのは、祭り期間中に運行される観光馬車。ゆっくりのんびりと桜のトンネルをゆく馬車の姿は、春の情緒たっぷりです。

展勝地には例年4月下旬に見頃を迎えるベニヤマザクラを含め、約150種約1万本の桜があるといわれています。5月近くまで桜を楽しめる東北ゆえ、鯉のぼりと桜の競演を楽しめるのも魅力のひとつ。祭り期間中には北上川の上空を、300匹の鯉のぼりが泳ぎます。北国の春をぜひ満喫してください。
犬山祭(犬山観光情報)
北上展勝地さくらまつり(北上観光コンベンション協会)

次は、流鏑馬(やぶさめ)や大名行列などと桜の競演が満喫できる祭りをご紹介しましょう。

青森県十和田市の春の風物詩は、官庁街通り駒街道の桜並木。「駒」は「馬」を意味しています。十和田市は古くから馬産地として知られ、旧陸軍の軍馬も育成していました。戦後、その用地は官公庁として整備されましたが、かつての名残りとして現在も駒街道には様々な馬のオブジェが配置されています。桜の見頃は例年4月下旬です。

その街道に面した十和田市中央公園にも多くの桜が植えられ、花見スポットとして人気を博しています。さらにそこで繰り広げられる桜流鏑馬(さくらやぶさめ)にも毎年注目が集まります。流鏑馬は全国各地で行われていますが、奉納行事であることが多いため、男性がほとんどを占めています。一方で、競技として流鏑馬を愛好する女性も多く、桜流鏑馬に臨むのはすべて女流騎手。満開の桜並木の中、日本原産の馬に乗って颯爽と駆け抜けます。2023年は4月22日(土)、23日(日)の開催です。

続いては、大分県南西部に位置する竹田(たけた)市。かつては岡藩に属し、難攻不落の山城として名を馳せた岡城を中心に城下町が広がっていました。現在は岡城跡として観光地となっており、かの瀧廉太郎はこの地で「荒城の月」の構想を練ったと言われています。

そんな地で春に催されているのが岡城桜まつり。昨年は3年ぶりの開催となりました。2023年の開催日は4月2日(日)です。

見どころとなるのは、大名行列や甲冑武者行列。丁寧に作られた時代装束や甲冑を身にまとい、市内を厳かに練り歩きます。肥後熊本藩・葦北鉄砲隊による演武にも注目。火縄銃や大筒が用いられ、迫力溢れる演武が行われます。その他、甲冑に身を包んだ騎馬武者がストリートを駆け抜ける「早駆け」など、町全体が時代絵巻に包まれます。桜の例年の見頃とも重なりますよ。ぜひ一度、足をお運びください。
桜流鏑馬(十和田流鏑馬公式総合案内)
第75回 岡城桜まつり(たけ旅 竹田市観光ツーリズム協会)
 
群馬県の前橋市を拠点に、路線バス(永井バス)や福祉バス、トラック輸送、タクシー事業、観光バス事業などを手掛ける永井運輸(株)。地域住民の移動や物流の面において存在感を発揮しています。さっそくですが水野課長、観光においてどのように活用できますか?沿線の名所などは…

『いやぁ、それが何もなくて(笑)』(水野さん)

いえいえ、そうおっしゃらずに(笑)。

『うーん、「前橋公園」ですかね。春は桜が美しくて、公園内には近代和風の木造建築、臨江閣(りんこうかく)があります。「るなぱあく」という遊園地も隣接していますね。観光というよりも、休日にご家族でちょっとお出かけしようか、という時に向いていると思います。「るなぱあく」は"日本一なつかしい遊園地"と言われてまして、小さなお子さんが楽しめる遊具が複数あります。中でも「木馬」は開園以来、半世紀以上にわたって利用料金が変わらず10円なんですよ』(水野さん)

料金にも懐かしさを感じますね!

『あとは…あんまり知られていないところですと「須賀の園(すがのえん)」ですね。ここは元々は個人の庭園でしたが、平成17年に公営の公園として再オープンしました。見事な藤の花が9本あって、藤棚の面積は約1,000平方m。樹齢はいずれも200年を超えているそうです。あとは、お食事ですと「鳥めし弁当」で知られている「上州御用鳥めし 登利平」さん。その本店が路線バス沿線にありますね。以前、バス旅系のテレビ番組でも紹介されました』(水野さん)

「ない」と言いつつ、けっこう見どころがあって安心しました(笑)。話は変わりますが、永井運輸さんは公共交通として全国に先駆けて「オープンデータ化」を実現したことでも知られていますよね?Web上のマップで経路検索して、移動の選択肢に「バス」が入ることが多くなったのは、このオープンデータ化によるものだとか…

『そうですね。県の勉強会に参加した際にバスのダイヤ編成ソフトがあることを知って、ウチは路線がそれほど多くないので、着手しやすいかなと思いまして。いち早く実現したので注目されて、なにかブワッと巻き込まれてしまった感もちょっとあります(笑)』(水野さん)

利用するお客様にとっては、ありがたいと思いますよ!また、バス停に発車案内のデジタル看板があったりして、便利だなと感じます。

『やはり地域の方々に使ってもらえるよう、病院と連携して乗り方をお教えしたり、車椅子を乗せる研修をしたり、地域の学校さんと連携してバス停の待合スペースをグレードアップさせたり、いろいろとやっていますよ』(水野さん)

なるほど。最後に一言、「旅したい」と思っている方にメッセージをいただけますか?

『観光の目玉みたいなものが正直ないのですが、もしお越しいただいた時は安心して快適にご利用できるよう努めていますので、どうぞよろしくお願いします』(水野さん)

お話、ありがとうございました!バスが好きで、ご自身もバス運転手をしていた水野課長、そのお人柄に癒されました。ぜひご家族で前橋へ"プチ旅"に出かけてみてはいかがですか?
永井運輸株式会社:
https://www.nagai-unyu.net/
 
 
 
 
【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2023年4月号の内容に対応
私鉄および公営は、2023年3月22日現在の時刻表に対応
【ダイヤ】
●山万
2023/4/1 改正
●北陸鉄道石川線
2023/4/1 改正
【臨時ダイヤ】
 
●大阪モノレール
2023/3/25~26 臨時列車運転
●アストラムライン
2023/3/26 臨時列車運転
●伊豆箱根鉄道大雄山線
2023/3/30 一部列車運休
●山陽電鉄
2023/3/30~4/9 一部直通特急の須磨浦公園駅臨時停車
●名鉄豊川線
2023/3/30~5/7 臨時列車運転
●YOKOHAMA AIR CABIN
2023/4/12 点検に伴う運休
●阿武隈急行
2023/4/16 工事に伴う代行バス
   
詳細は駅すぱあと改訂情報をご覧ください。
次回2023年5月号は、2023年4月26日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行  株式会社ヴァル研究所 https://www.val.co.jp/
発行日 2023年3月29日(水)
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