日本で唯一、リニアモーターカーに乗れる場所といえばココ。愛知県名古屋市の藤が丘駅と、豊田市の八草駅をつなぐ愛知高速交通の東部丘陵線です。全長8.9kmを17分で結んでいる磁気浮上式リニアモーターカー「Linimo(リニモ)」は、2005年の「愛・地球博」開催と同時期に開業。その際、近未来を彷彿とさせる"走るパビリオン"として大きな注目を集めました。
『Linimoはレールと接触せずに浮き上がって走行しているので、騒音や振動が小さく乗り心地が良いメリットがあります。高いところを走っているので眺めも良くて、自動運転により基本的に運転士がいないため、一番先頭の席では前面の眺めを楽しむことができますよ。開業当初は「愛・地球博」のメインアクセスとなり、国内外からのお客様を会場まで運びました。その頃、私は小学生だったのですが、会場へ向かうLinimoに浮き立つ気持ちで乗車したことを覚えています。当時は本当に多くの方にご利用いただき、Linimo待ちの列が駅の外まで伸びるほどでした。万博終了後は利用者数が落ち込みましたが、2017年以降は沿線に大型商業施設が開業し、最近はジブリパーク開業に伴って、遠方からのお客様が増えましたね。同時に沿線の大学や高校へ向かう地域の足としてもご利用いただいています』(瀬古さん)
Linimoでの通学は、なんともうらやましいです。万博をきっかけに様々なお客様が利用されたのですね。現在も「愛・地球博」の長久手会場が「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」として憩いの場になっています。
『そうですね。自然が豊かで大きな観覧車や芝生広場、サイクリングコースなどもあり、週末にはグルメイベントやマルシェなどもよく開催されています。さらに今、注目を集めているのが昨年11月にオープンした「ジブリパーク(第一期)」です。ジブリ作品の展示物が見られる「ジブリの大倉庫」、映画「耳をすませば」の舞台をイメージした「青春の丘」、博覧会の頃からずっと人気の「サツキとメイの家」を含む「どんどこ森」など、見どころがたくさんありますよ』(瀬古さん)
「ジブリパーク」、ぜひLinimoで訪れてみたいです!沿線には他にどんなスポットがありますか?
『芸大通駅が最寄りとなる「トヨタ博物館」には、19世紀から現在までの国内外の代表的な自動車が約140台も展示されています。展示資料も豊富で、クルマ好きな方におすすめです。あとは、長久手(ながくて)古戦場でしょうか。かつて羽柴秀吉と徳川家康が戦った地ですね。現在は「古戦場公園」として整備されていて、毎年4月には桜まつりも開催されています。歴史が好きな方にぜひ訪れてほしいですね』 (瀬古さん)
長久手の戦いは現在放送されているNHK大河ドラマにも登場しそうですね。
『はい。他にもご当地の新鮮な農産物が揃う「あぐりん村」や「長久手温泉ござらっせ」も人気ですよ。「モリコロパーク」の自然をはじめ、古戦場のような古い歴史から「トヨタ博物館」で触れる近代、そしてLinimoの現在・未来と、古いモノと新しいモノが混ぜ合わさっている沿線といえるかもしれません。いろいろ巡りたい方は、自由に乗降できて様々な施設で利用できる特典付きの「1DAYフリーきっぷ」をお求めいただいて、旅行を楽しんでいただきたいですね』 (瀬古さん)
お話、ありがとうございました!過去にも未来にもタイムスリップできるような旅、ぜひ計画を立ててみてはいかがですか?