世界一とも言われる函館山の夜景をはじめ、数々の観光資源に恵まれた函館の街。その魅力をさらに高めようと1958年、市内政財界有志を中心に検討がなされ、同年11月に函館山ロープウェイが開業しました。当初は31人乗りでしたが、現在の5代目となるゴンドラは125人乗り。海抜334mの山頂まで約3分で到着し、多くの観光客がその眺望と夜景を楽しんでいます。
『函館山の夜景は、季節や気象条件によって異なる趣があります。夏から秋にかけては津軽海峡に灯るイカ漁の漁火。冬は街のイルミネーションが雪に反射して美しいですよ。春から初夏にかけては稀に霧が出る時もあり、街を雲海が覆っているように見えます。また、夜景を眺めに足を運ぶお客様が多い一方で、日中は駒ヶ岳など活火山の美しい姿が見られます。お天気がよければ海の向こうに下北半島が見えますよ』(大地さん)
季節を変えて足を運ぶのも面白そうですね。函館山以外ですと、どんなところが観光でおすすめですか?
『たくさんありますが3つ挙げるとすると、まずは金森赤レンガ倉庫群。明治時代に建てられたレンガ造りの建物は、現在ショップやレストランが軒を連ねるショッピングモールや多目的ホールとして活用されていて、散策するだけでも楽しめます。2つめは、ご存じの方も多い函館朝市です。生鮮魚をはじめ青果や衣料、日用雑貨など約250店舗が出店しています。人気なのは「元祖活いか釣堀」ですね。釣ったイカを目の前で捌いてくれて、そのまま召し上がれます。鮮度が抜群なので、ゴロ(イカの内臓)も美味しく頂けるんですよ。3つめは五稜郭タワーです。函館山を含む眺めの素晴らしさはもちろん、春は五角形の堀を囲むように1500本のソメイヨシノが咲き誇ります』(大地さん)
楽しみどころが豊富ですね。新鮮な魚介類もたらふく食べたいです!
『その一方で、近年はローカルなB級グルメにも注目が集まっているんですよ。個人的なおすすめは、函館を中心とした道南で展開するハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」の「チャイニーズチキンバーガー」。チキンとレタスとマヨネーズがたっぷりで、甘辛い味付けで美味しいですよ。もうひとつは、ローカルコンビニ「ハセガワストア」の「やきとり弁当」。ご存じない方には驚かれるんですが、函館や道南でやきとりといったら「豚精肉」のことを指します。注文が入ってから店内のキッチンで焼き上げて、海苔を敷いたご飯の上に乗せてくれます。味のバリエーションも豊富で、ぜひ食べていただきたいですね』(大地さん)
海産物とローカルグルメを交互に食べたいですね(笑)。あと、函館山ロープウェイでおすすめのきっぷなどはありますか?
『天候などで販売しない場合もありますが、展望台レストランでのランチがセットになったチケットがあります。洋食やカレー、パスタなど4種類からお選びいただけて、乗車料込みで税込2,000円です。また、当社の管轄ではありませんが、市電やバスの一日乗車券を活用して旅を楽しまれる方も多いですね。函館は交通の便が良く、観光スポット同士の距離が近いので、異国情緒あふれる街並みや自然、歴史、ソウルフード、海産物、湯の川温泉、そして夜景がいっぺんに楽しめるところが魅力です。5月にはコロナ禍でストップしていた台湾と函館を結ぶ定期航空便も再開され、添乗員さんから「お久しぶりです!3年ぶりですね」と声を掛けられたことも嬉しかったですね。一度訪れたことのある方も、まだ函館未体験の方も、ぜひお越しいただきたいです』(大地さん)
お話、ありがとうございました!昨今は"ふつうに旅ができる喜び"を感じている方も多いかと思います。その喜びを実感できる函館山の夜景、ぜひ眺めに行ってみませんか?