次は、季節を問わず出かけてみたくなる寺社仏閣をご紹介。お参りに加え、珍しい風景に出会えるスポットです。
まずは千葉県館山市の大福寺。その観音堂はご覧の通り、岩盤がむき出しになった船形山の中腹に建てられていることから、地元の人びとは親しみを込めて"崖観音"と呼んでいます。
同寺院の御本尊は十一面観世音菩薩。717年に行基が東国行脚の際、地元の漁師の海上安全と豊漁を祈願し、山の岩肌にじかに彫ったといわれる磨崖仏(まがいぶつ)で、崖の中腹にある観音堂に刻まれています。
観音堂からは館山湾をはじめ、伊豆大島まで眺めることが可能。胸のすくような景色が広がります。温暖な気候ゆえ、境内にソテツの木が生えているのも見どころのひとつです。
次は、静岡県下田市にある伊古奈比羊命(いこなひめのみこと ※「羊」は口へんに羊)神社。通称"白浜神社"です。2400年もの歴史を有する伊豆最古の宮と言われています。
白浜といえば、夏は海水浴場として賑わう地として有名です。この神社は、2つの海水浴場に挟まるような位置に鎮座し、夏でも周囲の賑わいとは打って変わって荘厳な空気に包まれています。ご祭神は、縁結びと子育ての神様・伊古奈比羊命と、商業と漁業の神様・三嶋大明神です。
神社の裏手は海岸で、突き出た大明神岩の上に、赤い鳥居と注連縄が目につきます。由緒によると、三嶋大明神は伊豆の沖合の島々を造り、そこに后神を置いてたくさんの御子神様を御つくりになりました。后神や御子神達を、海を隔てたこの鳥居から拝めるようになっています。
最後は、奈良県宇陀市にある龍鎮(りゅうちん)神社。深谷龍鎮渓谷にひっそりと建てられた、深山幽谷の神社です。
神社といっても鳥居と小さな祠、拝殿があるのみですが、近年は周囲に広がる神域の美しさが話題となっています。画像は、拝殿の川上に広がる龍鎮の滝。規模は大きくないものの、龍のようにしなやかな曲線を描く滝の流れと、濃緑の輝きを放つ淵が幻想的で、近年はこの地を訪れる人も増えています。
水の美しさは折り紙付き。奈良県が指定する「やまとの水」41選のひとつに数えられています。新緑の季節に、森林浴をしながらお参りしてみたくなるスポットです。
2022年も"密"を避け、コロナ感染防止対策を万全にしてお出かけください。
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伊古奈比羊命神社(静岡県神社庁) ※「羊」は口へんに羊
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