「駅すぱあとアンテナ」2021年2月号 「身の周りの四季~冬編~」





 
一部地域で緊急事態宣言が発令され、ステイホームで過ごす方も多いかと思います。そこで今回は、身の周りの四季、冬編です。通勤やお買い物の途中で、ふとしたときに感じる季節。ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。

まずご紹介するのは、身近な冬の鳥。その代表格はスズメです。住宅街でも耳をすませば「チュン、チュン」という声が聞こえてくるほど、日本人にとってなじみ深い鳥ですが、スズメの冬の姿をじっくり見たことがありますでしょうか?夏はシャープで、冬はモコモコ。冬のスズメはとても愛らしい姿をしています。

スズメは秋になると、冬に備えて脂肪を蓄えます。さらに、寒さが厳しくなると羽毛を立てて空気を取り込み、自らの体温をキープするようになります。いわば、ダウンジャケットを着ているようなイメージです。そのため、まんまるでモコモコした姿となるのです。ふっくらしていることから「福良(ふくら)スズメ」とも呼ばれ、縁起物としてみなされることもあります。

なお、スズメは複数のつがいで集団行動することが多いのですが、冬にはときおりお互いの体を密着させ、木の枝や電線に、おしくらまんじゅうのような状態でいることもあります。これも、暖を取るための行動のひとつです。

次は、オシドリです。仲睦まじい夫婦のことを「オシドリ夫婦」と呼ぶなど、その名はよく知られています。オシドリは、冬は温暖な平地で暮らし、夏になると山地で過ごす鳥。一般的に日本国内を移動する「漂鳥(ひょうちょう)」に分類されますが、一部のオシドリは越冬のため、シベリアや中国北部からも渡ってきます。

夏のオシドリは、オスとメスの見分けがなかなかつきません。同じようなグレーの羽をまとっています。しかし秋から冬にかけて、オスの姿が一変し、一気に鮮やかな色彩に衣替えします。一般的な小鳥は、春に鳴き声で求愛しますが、オシドリやカモの仲間は、冬にダンスで求愛するため、"勝負服"に着替えたといえるでしょう。

今の時期は求愛もほぼ終わり、派手なオスと地味なメスが、つがいで行動している「オシドリ夫婦」が見られます。ちなみに、オシドリは一生を添い遂げるのではなく、毎年パートナーを変えますので、本来の意味での「オシドリ夫婦」とはちょっと違うかも…。それでも、仲良く連れ添う姿は一見の価値があります。

色彩が乏しくなる冬の中にあって、鮮やかに咲く花には心癒されるもの。シクラメンやクリスマスローズ、クレマチスなど、ガーデニングに適した花もよく見かけますが、今回は日本古来の花を中心にご紹介します。

まずはツバキの花。日本原産の花として「日本書紀」や「万葉集」にもその名がみられ、平安時代には邪気を払う宮中行事にツバキの幹が用いられていました。奈良・正倉院には宝物「椿杖」として納められています。また、石庭で有名な京都・竜安寺には、かの豊臣秀吉が絶賛したといわれるツバキの老木があり、今も花を咲かせています。

白、桃、赤、黄、さらに斑が美しい絞り系など品種によって色彩も豊か。花の形も一重、八重、千重咲き、獅子咲きと多彩です。日本原産のヤブツバキとユキツバキを原種とし、現在は約6000種もの品種があるといわれています。

ちなみに、ツバキとよく似た花にサザンカがあります。童謡「たき火」でもお馴染みのサザンカも、ツバキ科の植物。主に西日本に多くみられます。

ツバキの花が立体的なのに比べ、サザンカはやや平面的。葉っぱの縁は、サザンカのほうがツバキよりもギザギザしています。それでも微々たる違いなので見分けるのが難しいのですが、大きく異なるのは、その散り方です。サザンカは花弁を一枚づつ落としていきますが、ツバキは花ごとポトリと地面に落ちます。

次に紹介したいのは、南天の実。

普段あまり意識することはありませんが、住宅街や公園など、至るところで目にすることができます。子どもの頃、雪でウサギをつくり、南天の実を目として使った経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。「難転」は「難を転じる」に通じるということで縁起物とされ、正月飾りにも用いられています。

しかしながらこれもツバキとサザンカのように、一見しただけではわからない「千両」「万両」という似た実があります。「千両」の実は葉の上につき、「万両」の実は葉の下に、さくらんぼのように鈴なりにつきます。「南天」は、他の2つよりも高い木が多く、実はぶどうのように垂れ下がります。赤い実を見かけた際に、どれなのかチェックしてみるのもいいですね。

いまは、二十四節気(にじゅうしせっき)でいうところの「大寒(だいかん)」です。今年は1月20日に大寒に入り、2月3日の「立春」まで続きます。立春の前日が、季節の分かれ目を意味する「節分」です。

「大寒」は読んで字のごとく、一年で最も寒くなる時期として名づけられました。この寒さを利用して、酒や味噌、凍り豆腐、寒天などをつくる「寒仕込み」が行われる時期でもあります。また、大寒が始まる日に産まれた卵は「大寒の卵」と呼ばれ、金運や健康運を向上させる縁起物として珍重されてきました。小寒から大寒にかけて産まれた「寒卵」も、滋養に良いとされています。

寒さだけでなく、大気が乾燥していることも冬の特長のひとつ。風邪を引きやすくなったり、肌が荒れたりと、乾燥にはあまり良いイメージがありませんが、あえて乾燥がもたらす恩恵を挙げるなら、「冬の景色の美しさ」が挙げられるのではないでしょうか。

大気中に水蒸気が多く含まれていると、その中を進む光が水の分子にぶつかり、散乱します。逆に乾燥していると光の散乱が減り、遠くの景色もクリアに見渡せることになります。冬の夜空の星がくっきりとみえるのも、大気の乾燥と、明るい星が多いことに起因しています。

また、水蒸気が冷えて固体化し、氷の結晶となって物体に付着したものが「霜(しも)」です。霜ができる気温の目安は4℃以下。天気予報が伝える気温は地表から150cm程度の高さで計っているため、4℃と報じられた場合、地表は氷点下まで落ちているというわけです。なお、霜は「降(ふ)る」ではなく「降(お)りる」と表現します。天高くから降ってくるのではなく、空気中の水蒸気が氷点下になった物体に付着してできるためです。

一方で雪は、雲の中で生じた氷の粒が、水蒸気を伴って重くなり、落ちてきたもの。落ちてくるまでの水蒸気の量や雲の高さ、気温などによって、結晶の形が変わってきます。その結晶を観察してみるのもおすすめです。スマートフォンに、100円ショップで売っているマクロレンズを装着し、「降りたての雪」を最大ズームにして接写すると、結晶の形をみることができます。手ブレ防止のため、連写機能を使ってみましょう。

寒さが和らぐ季節が待ち遠しいですが、身の周りで発見できる冬ならではの風情を満喫してみてはいかがですか。
【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2021年2月号の内容に対応
私鉄および公営は、2021年1月20日現在の時刻表に対応
<臨時ダイヤ>
 
●JR山陽本線
2021/2/1 保守工事に伴う代行バス(柳井~下松)
●JR山陰本線
2021/2/2~5・9・10・12 保守工事に伴う代行バス(東萩~長門市)
●JR山陽本線
2021/2/8・22 保守工事に伴う代行バス(厚東~厚狭)
●JR呉線
2021/2/9・10・16~18 保守工事に伴う代行バス(三原~忠海)
●JR山陰本線
2021/2/16~19・24~26 保守工事に伴う代行バス(益田~東萩)
●神戸市営地下鉄
2021/1/22~ 一部列車運休
●六甲有馬ロープウェー
2021/2/12~3/5 年次点検に伴う運休
   
<ダイヤ改正>
 
●叡山電鉄
2021/1/30 改正
   
詳細は駅すぱあと改訂情報をご覧ください。
次回2021年3月号は、2021年2月24日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行  株式会社ヴァル研究所 https://www.val.co.jp/
発行日 2021年1月27日(水)
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