「駅すぱあとアンテナ」2024年10月号 「ひと足お先に紅葉」

 
例年の特集では11月以降にピークを迎える紅葉をご紹介してきましたが、今年は少し前倒し。10月に紅葉の絶景が広がるスポットをご紹介します。

まずは宮城県、岩手県、秋田県の三県にまたがる栗駒山。円錐状の裾野が広がる標高1,626mの山で、内陸でありながら山頂からは太平洋まで望むことができます。

この地の紅葉は、日本一との呼び声が高い山岳紅葉。カエデやドウダンツツジ、ナナカマドなど、赤や黄、オレンジ、さらに緑が混在して山肌を覆う姿は"神の絨毯"とも呼ばれています。紅葉のピークは、例年9月下旬から10月中旬にかけて。初心者から上級者まで、幅広い層が楽しめる9つの登山道が整備されています。

初心者におすすめなのは、「いわかがみ平」登山口から登る中央登山道。山頂まで行かずとも、整備された道を約1時間ほど歩けば"神の絨毯"に出会えます。なお紅葉のピーク期間はマイカー規制が入りますが、JR東北新幹線駅の「くりこま高原駅」から登山口までを結ぶシャトルバス「栗駒山紅葉号」が便利。土・日・祝日に運行しています。ダイナミックな色使いの油絵の中に身を投じるような経験を、ぜひ味わってみてください。

続いてご紹介するのは、北海道の中でも人気の観光地、美瑛。緩やかな丘が織りなす風景は四季を通じて異なる趣があり、秋は金色に染まる紅葉が見事です。

美瑛では例年9月下旬からカエデやミズナラ、シラカバなどの広葉樹の紅葉がスタート。10月いっぱいかけて、高山から紅葉がだんだんと下りてきて、観光名所「白金 青い池」周辺も色づきます。赤や黄色に加え、常緑樹や秋撒き小麦の緑色も加わるところが美瑛の紅葉ならでは。さらにもうひとつ、欠かせない見どころがあります。例年10月下旬から色づくカラマツの紅葉です。

一般的な広葉樹とは異なる樹形のカラマツは、防風林としての役割も担っています。そのため黄金色に色づく木々が丘の稜線に沿って一列に並びます。色づいてから葉が落ちるまでわずか10日間ほどのため、景色そのものが貴重。年によっては背景に連なる山々が雪化粧し、絶景を作り出します。レンタサイクルを利用して、秋の丘を駆け巡ってみてはいかがですか。
栗駒山(ぎゅぎゅっとくりはら 栗原市公式観光ガイド)
美瑛町観光ポータルサイト

関東地方でひと足早い紅葉を楽しめるスポットといえば、群馬県の奥日光エリアに広がる丸沼高原です。

冬場のスキーシーズンが到来するまで、高原や山々は錦秋の世界。マストで乗りたいのは、日光白根山ロープウェイです。秋になると山々が紅葉で染まり、その風景を上から眺める空中散歩を楽しめます。紅葉の見頃は、ロープウェイの山頂駅周辺は例年9月下旬から10月上旬、ロープウェイ乗車中は例年10月上旬から中旬です。山頂駅といっても山の中腹にあるため、"山頂駅から眺める日光白根山"の美しい姿にもぜひご注目ください。展望台を兼ねた足湯や、カフェでのお食事も楽しめますよ。

ロープウェイの山麓駅のすぐそばに広がる、火山活動によって生まれた湖・丸沼も要注目。例年10月上旬~中旬頃にブナやカエデが色づき、透明度の高い湖面に美しい紅葉が映し出されます。SUPなどのレジャーに興じながら紅葉狩りを楽しむことも可能です。

最後にご紹介するのは、日本百名山のひとつに数えられる長野県の乗鞍岳と、麓に広がる乗鞍高原です。北アルプスの南端に位置しています。

最高峰の「剣ヶ峰」は標高3,026m。しかし、登頂しなくても紅葉の絶景パノラマに随所で出会うことができます。例年10月上旬から標高約1800~2400m地点(位ヶ原~三本滝)ではナナカマドやダケカンバが色づき、見事なまでの山岳紅葉が出現。また、乗鞍高原の中心に広がり、湿地や池が点在する「一の瀬園地」では例年10月中旬頃からカエデが色づき、ひときわ目立つ大カエデの紅葉と風景のコントラストは絶品です。

なお標高2,702m地点の畳平には"日本一標高の高いバスターミナル"と呼ばれる「乗鞍バスターミナル」があり、バスでのアクセスが可能。例年10月上旬から下旬にかけて、車窓から美しい紅葉を眺めることができます。

ひと足お先に色づく紅葉スポットは、絶景ばかり。ぜひ計画を立てて、足を運んでみてはいかがですか。
丸沼高原
乗鞍高原
岡山県の北東部にて、複数の路線を運行している(株)美作(みまさか)共同バス。その沿線には自然や歴史の魅力がギュッと詰まっています。智頭急行の大原駅とJR姫新線の勝間田駅を結ぶバス路線でアクセスできる人気スポットといえば、やはり湯郷(ゆのごう)温泉でしょうか。

『1200年の歴史を持つ、全国的にもよく知られている温泉です。薬効が期待できるとして、古くから湯治場としても利用されてきました。湯もさることながら、車で8分ほどの距離にある大山展望台からの風景も魅力のひとつです。温泉街や1級河川の吉野川、遠くには岡山県最高峰の後山(うしろやま)を眺めることができます。特にこれからの季節、10月から2月頃にかけて良く冷え込んだ晴天の早朝には、雲海が出現することもありますよ。また、温泉街には「てつどう模型館&レトロおもちゃ館」や「あの日のおもちゃ箱 昭和館」もあり、ノスタルジックな雰囲気にも浸れます。自動車が好きな方には岡山国際サーキットもおすすめで、例年4月には自動車レース「スーパーGT」が開催されます。なお湯郷温泉は高速バスで大阪や神戸から気軽にアクセスできますよ』(平田さん)

なるほど。まず高速バスで湯郷温泉に向かい、その後に美作共同バスで智頭急行の大原駅へ向かう旅のルートも考えられますね。

『大原にも名所がたくさんあります。大原駅の徒歩圏内には「古町の町並み保存地区」という一画があり、因幡街道の宿場町としての景観を保っています。本陣や脇本陣など風情ある建物も現存し、電線も地中に埋設してあるので江戸時代にタイムスリップしたような気分で散策が楽しめます。また、毎年10月の第二土・日曜には、大屋台と呼ばれる神輿がこの地区を練り歩く「大原秋祭り」も開催されます。そしてもうひとつ、この地で有名なのは剣豪・宮本武蔵の生誕地です。「岡山県史跡」に指定された武蔵の生家跡や墓など、ゆかりのスポットが点在しています。なかでも武蔵神社は、生涯無敗を誇った武蔵にあやかって、受験生をはじめ様々な思いを抱いた人々が、勝ち守り(御守り)求めて訪れます。二刀流で有名な宮本武蔵ですが、そのきっかけになったのが、「讃甘神社(さのもじんじゃ)」です。宮司の太鼓を叩くバチさばきを見て、二刀流を編み出したといわれています。少し足を延ばして東粟倉地域にバスで向かうと、林家(国指定重文化財)や後山(氷ノ山・後山・那岐山国定公園)の麓には、令和4年に指定棚田地域に指令されたばかりの「東粟倉の棚田」があり、日本人の心に響く田園風景が広がっていますよ』(平田さん)

秋祭りの時期は大いに盛り上がりそうですね。歴史好きな方にも大原探訪、おすすめしたいです。ちなみに、この地にはどんな特産品がありますか?

『「古町の町並み」エリアには130年以上、昔ながらの手作業で丁寧に日本酒を造っている「田中酒造」さんがあります。「大原白梅」「武蔵の里」などが人気のようです。また、美作インターから約3分以内の所にある道の駅彩菜茶屋などでは、鹿肉のジビエカレー、黒豆ハンバーガーといったB級グルメもお楽しみいただきたいですね。あとは美作地域の黒豆ブランド「作州黒」で作った黒豆茶もおすすめですね』(平田さん)

お土産にもよさそうですね。一方で、美作共同バスを日常の足として利用するお客様も多いのでは?

『はい。いねむりしている高校生には運転士が「着いたよ、起きて~」と一声かけたり、高齢の方には「気を付けてね」とお声がけしたり、アットホームな雰囲気で運行しています。観光でお越しになる方は、ぜひそんな和やかな雰囲気と、温泉、歴史、緑豊かな自然、グルメをまるごと堪能していただきたいですね』 (平田さん)

お話ありがとうございました!帰りは智頭急行大原駅から特急「スーパーはくと」を利用するのも良さそうです。ぜひ岡山東部の旅に出かけてみてください。
(株)美作共同バス:
詳細につきましては、「駅すぱあと」サポートサイトよりご確認ください。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
詳細は駅すぱあと改訂情報をご覧ください。
次回2024年11月号は、2024年10月30日(水)配信予定です。お楽しみに!
メールマガジン配信の登録・変更・停止
お手持ちの『駅すぱあと』登録番号とパスワードをご用意ください。
https://secure.ekiworld.net/eworld/menu/menu.do?event=18
発行  株式会社ヴァル研究所 https://www.val.co.jp/
発行日 2024年9月25日(水)
お問い合わせ https://ekispert.jp/contact/
本メールは『駅すぱあと』登録ユーザーの方でメール配信をご希望されたお客様にお送りしています。


当社の個人情報保護方針ならびにポリシーについては以下をご覧ください。
<個人情報保護について> https://www.val.co.jp/privacy

この記事は役に立ちましたか?

他にご質問がございましたら、Webフォームからお問い合わせください