四国の真ん中、そびえる山々と深い谷を緑が覆う文字通りの"秘境"。その地を縫うように走っているのが、四国交通の路線バスです。地域住民の方々の貴重な足であると同時に、近年は話題が話題を呼び、国内外から多くの人びとが訪れるようになっています。観光客の方々は、どのようなスポットを楽しんでいらっしゃいますか?
『路線バスが走る秘境・祖谷(いや)には様々な名所があります。その代表格が、かずら橋です。植物のつるで編まれた原始的な吊り橋で、踏板の隙間が広いのでスリルも満点です。私も幼い頃に渡った経験がありますけど、トラウマになっています(笑)。また、切り立った山間で川がカーブして、ひらがなの「ひ」の字型にみえる「ひの字渓谷」も見ごたえがあり、秋は紅葉で美しいですね。その断崖絶壁には小便小僧が立っていて、ここもフォトスポットとして人気です。他にも観光遊覧船が出ている大歩危峡(おおぼけきょう)、この地に伝わる平家の落人伝説に関する展示が豊富な平家屋敷民俗資料館なども見どころのひとつですね』(池尻さん)
大自然あり、歴史あり…さらに祖谷温泉は日本三大秘湯のひとつにも数えられていますね。もうひとつ、四国交通さんのボンネットバスにも興味が湧きます。
『1966年に製造され、この地を走り続けてきた4台のボンネットバスのうち1台が現在も四国交通に在籍しています。基本的に車庫に停めてあることが多いのですが、バス好きな方から「写真を撮らせてもらえますか?」とお問合せいただくこともよくあります。海外から来られる方もいらっしゃいますよ。現在は導入当時のカラーリングに復元されています。また「プロジェクト598」として、四国交通の定期路線をボンネットバスが走る企画も随時行っています。乗車している車掌さんが方向幕を回したり、懐かしいきっぷだったりと、昔ながらのやり方を取り入れていますので、周囲の景色も相まってタイムスリップ感覚が味わえると思います』(池尻さん)
レトロなボンネットバスの雄姿、ぜひ見てみたいです!ちなみに観光で利用する場合、期間限定で運行している定期観光バスも便利そうですね。
『定期観光バスだと、かずら橋や平家屋敷、小便小僧、大歩危など主要の名所を効率よく巡ることができます。途中で祖谷そばなどの名物料理を召し上がっていただく時間も設けていますよ。また、当社の高速バスとの接続も行っていますので、日によっては神戸から日帰りで祖谷を満喫する旅も可能です。秋には秘境が紅葉に染まる風景もご堪能いただけますし、祖谷は降雪地帯でもありますので冬は雪景色や、東祖谷で開催されている雪合戦大会も楽しめます。一年中満喫できる祖谷温泉も楽しみにしていただきつつ、非日常の観光にぜひお越しください』(池尻さん)
お話ありがとうございました!四国の真ん中に秘境あり。読者の皆さんもぜひ一度、訪れてみていただきたいと思います!