「駅すぱあとアンテナ」2024年9月号 「猫やアートの島さんぽ」

 
暑さもひと段落する時期を迎え、今月の特集は心地よい島さんぽ。近年注目の「猫」や「アート」で盛り上がる、本州から程近い島々をご紹介します。

まずご紹介する島々のコンセプトは"猫"。たくさんの地域猫が住む島は全国各地にあり、メディアでもよく紹介されています。そんな中で、散策の途中でホッコリした気分になれるような、おすすめの島をご紹介しましょう。

まずは瀬戸内海に浮かぶ佐柳島(さなぎしま)。住所は香川県仲多度郡多度津町に属します。香川県の多度津港からフェリーで約1時間の距離にあり、周囲約6km、人口約40人という小さな島です。一方で猫は100匹以上住んでいると言われ"人よりも猫のほうが多い島"と紹介されることもあります。

島に港は2つ。本浦港と長崎港を中心に集落が広がり、猫たちの多くがその周辺で暮らしています。島内に公共交通機関はなく、2つの港間は海を眺めつつのんびり歩いて30分程度。そしてこの地の猫を有名にしたのが、本浦港周辺にある堤防をジャンプする猫。その姿を写真に収めようと、小さな島に全国各地から猫好きが集まります。

現在、島で宿泊施設は1か所。木造廃校舎をリノベーションしたゲストハウス兼カフェが2つの港の中間にあり、ここにもたくさんの猫が暮らしています。また、山の山頂にある大天狗神社には岩肌に刻まれた天狗像があり、お参りすると探し物が見つかる御利益があると言われています。のんびり歩いて猫たちとの遭遇をお楽しみください。

続いては宮城県の田代島。全国津々浦々の"猫の島"の中でも知名度が高く、かつて米CNNで「世界の5大猫スポット」として紹介されたことから、海外から訪れる方もいるのだとか。石巻・旧北上川河口船着場から船で約45分の距離にあります。

50人ほどの島民に対して猫の数は100~150匹と言われ、船を降りたところから猫・猫・猫。漁師さが余った魚を分け与える微笑ましい場面に出会えます。田代島ではその昔、繭の生産が行われており、ネズミから繭を守るために猫が重宝されていたそうです。また、かつての漁師は猫の行動を見て天候や漁の良し悪しを予測したとも言われ、島内は犬の持ち込み禁止。大漁の守り神として猫が祀られた「猫神社」もあり、国土交通省の「島の宝100景」のひとつに選定されています。

"猫の島"を訪れる際は「餌をあげすぎない」「私有地に入らない」「ゴミは持ち帰る」といったマナーを守り、のんびりとした散策を満喫してください。
佐柳島(さなぎじま)(うどん県旅ネット)
田代島(石巻市)

続いては"アート"をコンセプトにした島。瀬戸内海に浮かぶ香川県の直島(なおしま)からご紹介しましょう。

高松港からフェリーで約1時間、高速船だと約30分。江戸時代には海上交通の要衝として栄え、今もなお古い町並みが残っています。その町並みや自然と現代アートが調和しています。玄関口となるフェリーターミナルは、建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した日本の建築家ユニット「SANAA」による設計。広場には草間彌生氏の作品「赤かぼちゃ」が展示されています。

島には3つのエリアがあり、美術館エリアには建築家の安藤忠雄氏が手がけた地中美術館、李禹煥美術館、ベネッセハウスミュージアムなどがあり、周辺にも多くの屋外作品が展示されています。一方、本村エリアには古い町並みが残り、空き家や木造民家を改修して生まれたアート空間が点在。美術館とは異なる、生活の匂いがする空間のアートを満喫できます。宮ノ浦エリアは、アーティスト・大竹伸朗が手がけた実際に入浴できる銭湯やギャラリーなどがあり、島全体がアート感覚にあふれています。

続いてご紹介するのは、愛知県の知多半島と渥美半島に挟まれた三河湾に浮かぶ佐久島(さくしま)。一色港から佐久島西港まで定期船で約20分の距離に位置しています。

島の至るところに佇んでいるアート作品、その常設展示数は24点。港でスタンプが押せるアート・ピクニックMAPを入手して散策に出かけるのがおすすめです。写真のアート作品は石垣(しがけ)海岸に佇む「おひるねハウス」。この地の西集落に伝わる黒壁をモチーフとした黒色と、のどかな海の風景が不思議なコントラストを描いています。はしごを上り、作品の中に腰かけて海を眺めてもOK。一方で東地区の海岸には「イーストハウス」と呼ばれる真っ白な作品があったり、"風を眺める"コンセプトで生まれた作品「カモメの駐車場」などが点在。アート以外にも古墳や神社、ヤギのいるエリアなど、散策しながら心安らぐ風景に次々と出会えます。

ぜひ肩の力を抜いて、アートを感じる島巡りにお出かけください。
直島観光旅サイト
佐久島
四国の真ん中、そびえる山々と深い谷を緑が覆う文字通りの"秘境"。その地を縫うように走っているのが、四国交通の路線バスです。地域住民の方々の貴重な足であると同時に、近年は話題が話題を呼び、国内外から多くの人びとが訪れるようになっています。観光客の方々は、どのようなスポットを楽しんでいらっしゃいますか?

『路線バスが走る秘境・祖谷(いや)には様々な名所があります。その代表格が、かずら橋です。植物のつるで編まれた原始的な吊り橋で、踏板の隙間が広いのでスリルも満点です。私も幼い頃に渡った経験がありますけど、トラウマになっています(笑)。また、切り立った山間で川がカーブして、ひらがなの「ひ」の字型にみえる「ひの字渓谷」も見ごたえがあり、秋は紅葉で美しいですね。その断崖絶壁には小便小僧が立っていて、ここもフォトスポットとして人気です。他にも観光遊覧船が出ている大歩危峡(おおぼけきょう)、この地に伝わる平家の落人伝説に関する展示が豊富な平家屋敷民俗資料館なども見どころのひとつですね』(池尻さん)

大自然あり、歴史あり…さらに祖谷温泉は日本三大秘湯のひとつにも数えられていますね。もうひとつ、四国交通さんのボンネットバスにも興味が湧きます。

『1966年に製造され、この地を走り続けてきた4台のボンネットバスのうち1台が現在も四国交通に在籍しています。基本的に車庫に停めてあることが多いのですが、バス好きな方から「写真を撮らせてもらえますか?」とお問合せいただくこともよくあります。海外から来られる方もいらっしゃいますよ。現在は導入当時のカラーリングに復元されています。また「プロジェクト598」として、四国交通の定期路線をボンネットバスが走る企画も随時行っています。乗車している車掌さんが方向幕を回したり、懐かしいきっぷだったりと、昔ながらのやり方を取り入れていますので、周囲の景色も相まってタイムスリップ感覚が味わえると思います』(池尻さん)

レトロなボンネットバスの雄姿、ぜひ見てみたいです!ちなみに観光で利用する場合、期間限定で運行している定期観光バスも便利そうですね。

『定期観光バスだと、かずら橋や平家屋敷、小便小僧、大歩危など主要の名所を効率よく巡ることができます。途中で祖谷そばなどの名物料理を召し上がっていただく時間も設けていますよ。また、当社の高速バスとの接続も行っていますので、日によっては神戸から日帰りで祖谷を満喫する旅も可能です。秋には秘境が紅葉に染まる風景もご堪能いただけますし、祖谷は降雪地帯でもありますので冬は雪景色や、東祖谷で開催されている雪合戦大会も楽しめます。一年中満喫できる祖谷温泉も楽しみにしていただきつつ、非日常の観光にぜひお越しください』(池尻さん)

お話ありがとうございました!四国の真ん中に秘境あり。読者の皆さんもぜひ一度、訪れてみていただきたいと思います!
四国交通:
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次回2024年10月号は、2024年9月25日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行日 2024年8月28日(水)
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