「駅すぱあとアンテナ」2024年8月号 「高山植物の園へ」

 
酷暑を避けて、いざ高原へ。涼しげな地で慎ましく咲く夏の花々を眺めに行きませんか?今月は、気軽に高山植物を鑑賞できるスポットをご紹介します。

「植物園」は全国各地にありますが、「高山植物園」となると数えるほどしかありません。そのうちのひとつが、長野県の白馬五竜高山植物園です。

スキーのメッカとして知られる白馬五竜は、6月から10月にかけてグリーンシーズンを迎えます。標高1,515mの白馬五竜アルプス平に広がる地には約300種、200万株の高山植物が育ち、エーデルワイスやヒマラヤの青いケシなど珍しい外国の高山植物が咲く「スイスアルプス・ヒマラヤ」エリアや、長野県の標高2,500m前後の高山帯に育つ「高山の花」エリアなどに分かれています。今はちょうど"高山植物の女王"と称されるコマクサ3万株が見頃を迎えています。

ゴンドラとペアリフトを乗り継げば、ラクに植物園の頂上まで乗り継ぐことができるのも魅力のひとつ。頂上には一周約30分で回れる自然遊歩道もあり、涼しい風を受けながらハイキングトレイルも楽しめます。登山しない限り出会えないような植物を気軽に見られるスポットとしておすすめです。

続いては、滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山。日本百名山のひとつの数えられ、主峰の山頂は標高1,377m。全長17㎞の伊吹山ドライブウェイが9合目付近までアクセスしており、車の窓を開けているとだんだん涼しくなることが実感できます。 山頂付近は山麓に比べて10℃近く気温が低く、夏は高山植物の花畑が広がります。

例年8月中旬にかけては、伊吹山の夏の代名詞といえるシモツケソウが見頃に。野一面が鮮やかなピンク色に染まります。その他、イブキトラノオ、オバギボウシ、メタカラコウ、ルリトラノオ、シシウドといった高山植物も開花し、まさに天空の楽園といった雰囲気に包まれます。

花や景色を鑑賞するだけでなく、早朝に訪れてご来光を楽しむ方もいれば、夕暮れに訪れて満天の星空を楽しむ方、稀に山頂付近に飛来するイヌワシの姿をカメラに収めようとする写真愛好家など、楽しみ方は人それぞれ。暑さを避けつつ夏の伊吹山をぜひ満喫してください。
白馬五竜高山植物園
伊吹山ドライブウェイ

続いては白馬五竜と同様に、冬はスキー場として賑わう新潟県の湯沢高原パノラマパーク。グリーンシーズンには約200種の高山植物が咲く「アルプの里」がオープンします。越後湯沢駅から徒歩8分の距離にある山麓駅から、世界最大級の166人乗りロープウェイでスムーズにアクセスできます。

入り口付近の池から樹林まで、風景と高山植物を見つける楽しみを満喫しながら散策。その先には2,500m級の高山の自然を再現した「ロックガーデン」が広がります。上越新幹線のトンネル採掘時に掘り起こされた岩が使われており、8月はヒメフウロやエチゴトラノオ、ツリガネニンジン、レンゲショウマなどの高山植物が岩の間で咲き競います。なお高山植物園の入り口から頂上までリフトで上ることも可能です。

さらにこの地の魅力は高山植物だけでなく、多彩なアトラクションがあること。706mの超ロングコースを一気に滑走するサマーボブスレーやマウンテンゴーカート、ジップラインアドベンチャーもご家族連れに人気です。ロープウェイ山麓駅には日帰り温泉施設もあります。

最後にご紹介するのは、兵庫県神戸市の六甲高山植物園です。海抜865mの六甲山頂付近に広がり、世界の高山植物や寒冷地植物、六甲自生植物など約1,500種を、野生に近い状態で栽培しています。

8月はオミナエシやキキョウ、サギソウ、ヒゴダイなど多種多様な高山植物が花をつけます。注目は"森のシャンデリア"と称される日本固有の種、レンゲショウマ。

派手さはありませんが、ろう細工のような半透明の薄紫の花がなんとも涼しげです。その一方で、力強くダイナミックに咲くヤマユリも見頃に。過ごしやすい気候のもと、多様な高山植物の姿をお楽しみください。

なお、9月23日(月・祝)まで"むしの目線でしょくぶつを見てみよう"をコンセプトにした企画展「しょくぶつとむし」も開催中。夏の自由研究気分で子どもも大人も楽しめますよ。
湯沢高原パノラマパーク
六甲高山植物園
大正4年の開通以来、長崎の街を走り続けてきた長崎電気軌道。その路面電車は観光の足として欠かせないのと同時に、眺めているだけでホッとするような温かみも魅力です。異国情緒漂う街に溶け込み、長崎ならではの風景をつくり出しています。そんな路面電車で行きたい名所はどこかといいますと…

『まずは市内の中心部に位置する新地中華街ですね。横浜、神戸と並び日本三大中華街のひとつに数えられています。多くのお店が軒を連ねていて、近年は食べ歩きを楽しむ方も増えました。定番の長崎ちゃんぽんや長崎皿うどんを提供するお店もたくさんありますよ。長めに滞在される方には、ぜひ複数のお店で食べていただいて、店ごとの味の違いも楽しんでほしいですね。毎年2月にはランタンフェスティバルが開催され、川の上にも無数のランタンが連なって夜は幻想的ですよ。また、大浦天主堂やグラバー園、平和公園、めがね橋など、どの名所にも必ず近くまでアクセスできるところが路面電車の魅力です』(菊田さん)

効率よく観光地を巡ることができそうですね。一方で、長崎市内といえば「日本三大夜景」のひとつでもありますよね?

『はい。稲佐山からの眺めが定番人気ですね。公共交通機関をご利用される場合、日中は路面電車で各所を巡り、夕暮れ時になったらバスに乗り継いでいただき、稲佐山の中腹にある駐車場までアクセスします。そこから山頂までロープウェイ、もしくは2020年に誕生した長崎稲佐山スロープカーを利用します。夜景はもちろん、乗り物好きな方にもご満足いただけると思いますよ』(菊田さん)

スロープカーには一度乗ってみたいと思っていました。乗り物好きな方に関して言えば、長崎電気軌道のバリエーション豊かな車両も楽しみどころのひとつでは?

『レトロな色合いのものから、バリアフリー対応の新型まで様々な車両が運行しており、楽しんでいただけたら嬉しいですね。車体がブルーの310号「みなと」のデザインは、鉄道デザイナー・水戸岡鋭治氏です。長崎でよく見かける「尾曲がり猫」やステンドグラス、「龍踊り」のイラストなどが施され、内装にはふんだんに木材が使われています。なるべく多くの方にご乗車いただけるよう、通常の営業車両として運行しています。ぜひご乗車いただきたいですね』(菊田さん)

乗ってみたいです!観光で訪れる方に便利なきっぷはありますか?

『全線乗り放題の「一日乗車券(紙・モバイル)」と、「24時間乗車券(モバイルのみ)」がございます。24時間乗車券は日をまたいでご利用いただけるので、宿泊される方におすすめですね。東洋文化と西洋文化が入り混じり、1日でいろいろなシーンに出会える長崎市内の旅に、ぜひ路面電車をご活用ください』(菊田さん)

お話ありがとうございました!多様な文化に触れられる、長崎市内を巡る路面電車の旅。ぜひ皆様もお出かけください。
長崎電気軌道:
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何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
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次回2024年9月号は、2024年8月28日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行日 2024年7月31日(水)
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