大正4年の開通以来、長崎の街を走り続けてきた長崎電気軌道。その路面電車は観光の足として欠かせないのと同時に、眺めているだけでホッとするような温かみも魅力です。異国情緒漂う街に溶け込み、長崎ならではの風景をつくり出しています。そんな路面電車で行きたい名所はどこかといいますと…
『まずは市内の中心部に位置する新地中華街ですね。横浜、神戸と並び日本三大中華街のひとつに数えられています。多くのお店が軒を連ねていて、近年は食べ歩きを楽しむ方も増えました。定番の長崎ちゃんぽんや長崎皿うどんを提供するお店もたくさんありますよ。長めに滞在される方には、ぜひ複数のお店で食べていただいて、店ごとの味の違いも楽しんでほしいですね。毎年2月にはランタンフェスティバルが開催され、川の上にも無数のランタンが連なって夜は幻想的ですよ。また、大浦天主堂やグラバー園、平和公園、めがね橋など、どの名所にも必ず近くまでアクセスできるところが路面電車の魅力です』(菊田さん)
効率よく観光地を巡ることができそうですね。一方で、長崎市内といえば「日本三大夜景」のひとつでもありますよね?
『はい。稲佐山からの眺めが定番人気ですね。公共交通機関をご利用される場合、日中は路面電車で各所を巡り、夕暮れ時になったらバスに乗り継いでいただき、稲佐山の中腹にある駐車場までアクセスします。そこから山頂までロープウェイ、もしくは2020年に誕生した長崎稲佐山スロープカーを利用します。夜景はもちろん、乗り物好きな方にもご満足いただけると思いますよ』(菊田さん)
スロープカーには一度乗ってみたいと思っていました。乗り物好きな方に関して言えば、長崎電気軌道のバリエーション豊かな車両も楽しみどころのひとつでは?
『レトロな色合いのものから、バリアフリー対応の新型まで様々な車両が運行しており、楽しんでいただけたら嬉しいですね。車体がブルーの310号「みなと」のデザインは、鉄道デザイナー・水戸岡鋭治氏です。長崎でよく見かける「尾曲がり猫」やステンドグラス、「龍踊り」のイラストなどが施され、内装にはふんだんに木材が使われています。なるべく多くの方にご乗車いただけるよう、通常の営業車両として運行しています。ぜひご乗車いただきたいですね』(菊田さん)
乗ってみたいです!観光で訪れる方に便利なきっぷはありますか?
『全線乗り放題の「一日乗車券(紙・モバイル)」と、「24時間乗車券(モバイルのみ)」がございます。24時間乗車券は日をまたいでご利用いただけるので、宿泊される方におすすめですね。東洋文化と西洋文化が入り混じり、1日でいろいろなシーンに出会える長崎市内の旅に、ぜひ路面電車をご活用ください』(菊田さん)
お話ありがとうございました!多様な文化に触れられる、長崎市内を巡る路面電車の旅。ぜひ皆様もお出かけください。